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栗(クリ)の木の剪定時期と剪定方法

はじめに:プロが本音で語る栗の木の管理をすべてお伝えします

「栗の木を植えたら予想以上に大きくなってしまった」
「毎年花は咲くのに実がならない」
「葉っぱとイガの掃除が大変すぎる」

栗の剪定に関するこういった悩みは多いです。

最初に正直にお伝えします。栗(クリ)の木や桜の木を庭に植えるくらい後悔することはないです。 栗も桜も品種によりますが、樹勢が強くどんどん大きくなる種類が多い木で、最悪の場合、2階の屋根の高さを超えてしまうほどです。

地表に見える部分だけでも大きいのですが、根は地表に出ている大木を支えたり、栄養を送ったりするために、もっと深く横に広く根付きます。栗や桜の近くに建物がなければ問題はないのですが、根は最悪の場合建物を持ち上げます。そして枯れたり腐ってしまうとシロアリが発生してしまいますので、敷地が広くて余っているのなら話は別ですが、狭い敷地には栗も桜も、できれば果樹も植えるべきではないです。

これらの木の種類はなぜか、葉っぱがデカく枝も太いので、管理も大変ですしね。

それでも栗を育てると決めた方、すでに植えてしまった方のために、このページでは栗の特徴・花芽形成から結実までのサイクル・正しい剪定時期・具体的な方法・実がならない原因と対策・失敗した時のリカバリー・病害虫対策・道具選び・ゴミの処分まで、栗に関するすべてをお伝えします。

栗の特徴:「植える前に知っておくべきリスク」と花が咲くサイクル

■狭い敷地に植えるべきではない理由

栗も桜も品種によりますが、樹勢が強くどんどん大きくなる種類が多い木で、最悪の場合、2階の屋根の高さを超えてしまうほどです。

地表に見える部分だけでも大きいのですが、根は地表に出ている大木を支えたり栄養を送ったりするために、もっと深く横に広く根付きます。栗や桜の近くに建物がなければ問題はないのですが、根は最悪の場合建物を持ち上げます。そして枯れたり腐ってしまうとシロアリが発生してしまいますので、敷地が広くて余っているのなら話は別ですが、狭い敷地には栗も桜も、できれば果樹も植えるべきではないです。

すでに植えてしまった方は焦らず、このページの剪定方法でできるだけサイズをコントロールしていくことが重要になります。

■雌雄同株・1本の木に雄花と雌花

栗の花が咲く時期は6~7月頃です。栗の木は雄花と雌花の両方を持つ雌雄同株の樹木です。

雄花は長い穂状(黄色~クリーム色)の花をつけ、独特な強い香りを辺り一帯に漂わせます。雌花は雄花の付け根や短い枝に小さく咲き、目立ちにくいです。

媒花ですが、昆虫(ミツバチなど)による受粉も助けになります。受粉が成功すると雌花が膨らみ、9~10月に栗の実が成熟します。

■「花芽は前年の8~10月に形成される」これが栗管理の最重要ポイント

栗を管理する上で最も重要な知識がここです。花芽形成の時期は前年の8~10月頃に花芽の分化が始まります。気温や栄養状態によって翌年の開花・結実に影響します。

12~4月頃に花芽が成長を続け、春を過ぎるとだんだんと目で確認できるほど膨らんできます。6~7月頃に開花して受粉が行われるようになり、やがて実が成ります。

花芽は前年に作られるため、剪定は適切な時期に行わないと花芽を失う可能性があります。花芽形成が前年の8~10月頃に起こるため、この時期に強剪定をすると翌年の花付きが悪くなります。

■葉っぱもイガも大きく、掃除が大変な木

栗の木を植えてある以上、毎年の剪定は欠かせませんし、葉っぱやイガの掃除も大変です。葉が大きいため落葉時の量も多く、イガは触れると痛いため処理にも注意が必要です。栗を植える前にこの管理の手間を理解しておくことが、後悔しないための重要なポイントです。

栗の剪定時期:「11~3月の冬」が唯一のベスト

■最もベストな剪定時期:11~3月頃

栗の剪定時期は、地域にもよりますが、葉っぱが落ちた冬期の11~3月頃が適期です。 特に太い枝を切る強剪定ができる時期です。

■徒長枝の処理

今年、幹や枝から徒長した枝は不要なので、根元からスッキリ切ったほうがよいです。そうすることで、葉っぱや内部にも光が行き届きやすくなり、樹勢や病害虫の発生も極力抑えられます。

徒長した枝でも、実をつけたい場所に枝を残すことで必要とされることもありますので、適宜選んで剪定してください。

■花芽形成期(8~10月)の強剪定は避ける

花芽形成が前年の8~10月頃に起こるため、この時期に強剪定をすると翌年の花付きが悪くなります。適度に風通しをよくするなどの剪定を行うと、健康な花芽が育ちやすくなります。

栗の剪定方法:「樹高を抑える」「日当たりを確保する」が2大目標

■大きいまま育てる場合と小さく抑える場合

栗は樹勢が強く、とても大きな木になりやすいです。大きいままで育てたいのであれば、徒長した枝だけを切って、葉っぱに日が当たるようにすれば良いです。

逆に、栗の木を小さめに作って育てたければ、ある程度の高さで早めに主幹の高さを決め、芯を止めるようにコンパクトに剪定します。

■剪定の目的をまとめると

栗の木を剪定する目的はどんな木にも言えることですが、日当たりを良くすることで大きな実に育てる、実がなる枝に樹勢を集めることで大きな実をつけられる、風通しを良くすることで病害虫の発生を防ぐ、作業をしやすくするために高さを調整する、という4点が栗に関しては特に重要です。

■樹高は3~4m以内に抑える・横に伸ばすメリット

樹高は高くても3~4m以内に抑えるようにして、できれば上ではなく横に伸ばすとよいです。横に伸ばすことで、日の光をたくさん浴びれるようになりますし、剪定作業も高さがない分、楽ができます。

■太枝の切り方と高所作業の危険性

届かない太枝は思い切って切りますが、枯れや腐れを防ぐために枝元から2~3cmくらい残してノコギリ等で切り落とすとよいです。

最悪でも太枝切りバサミで切れる高さまでは大丈夫ですが、高すぎると作業効率は悪くなりますし、大怪我をする心配があります。

3脚を使う場合も、高くなればなるほど危険が伴います。脚が4本の「脚立」については、足場がグラグラな場所では絶対に使わないことです。脚立から落ちたことが原因で亡くなった人を何人も見てきました。脚立を使うなんて、命がいくつあっても足りません。自分は大丈夫と思わないことです。

■剪定する枝の基準

栗の木をスッキリきれいにしたいなら、長く徒長した無駄な枝を全て切ります。実を成らせたいのなら、若く勢いのある枝を残します。

栗は切りすぎても切ったところからどんどん新芽が生えるので大丈夫です。ただし、その伸びた新芽が花芽になるか葉芽になるかは剪定時期や樹勢次第です。

■枝を残す・切る判断基準

光の当たらない陰で育った枝は全体が細く樹勢が弱いですし、横に広がる枝を優先して残すと光が当たるのでいいようです。逆に内側に枝がなくなるような伸び方をする枝は切ります。とにかく日陰になると枯れ枝が発生しますので、枝と枝が重ならないように剪定してください。

前年伸びた充実した枝の先端に花芽がつき、葉のつけ根に雌花と雄花が咲きますので、実をならせるための剪定は、冬期剪定でこうした枝を切り詰めてしまわないことです。

■【忙しい方向け】15分でできるズボラ流栗管理

完璧な管理ができなくても、これだけ守ってください。冬(11~3月)に徒長枝を根元から切り、樹高3~4m以内を目安に整理します。前年伸びた充実した枝(花芽がついている枝)は残します。重なり合う枝を間引いて日陰部分を減らします。この3点だけで「大きくなりすぎる」「実がならない」という最悪の問題を防げます。

失敗した時のリカバリー:「やってしまった!」時の対処法

■花芽形成期(8~10月)に強剪定してしまった場合

花芽形成期(8~10月頃)に強剪定をしてしまった場合、翌年の花付きが悪くなる可能性があります。しかし木が枯れるわけではありません。これ以上の追加剪定は止めてください。来年の11~3月から正しい冬期剪定に切り替えることで、翌々年から花付きが戻ります。

■実つきが悪い・落果が多い場合の対処

イガが小さいまま途中で落果する、実つきが悪い栗の実があります。これは樹勢の衰えや栄養不良が原因です。栗は7~8月に落果が見られ、7月の落果は「早期落果」といいます。

早期落果は樹体の栄養不良が原因によるもので、これは栗の木が越冬時、枝葉や根の成長と実つきの両方に必要な、木の体内で貯蔵されている栄養分が不足しているために起こります。その時、栄養分を奪い合う現象によって、負けた弱い実が落果すると言われます。

これを改善するためには、前年の収穫終了後に、お礼肥えや元肥をしっかり与え栄養状態を良くすることです。

■夏の土壌乾燥による樹勢低下の対処

夏の土壌乾燥も樹勢を弱くする原因です。これを防ぐには、鉢植えの場合は朝夕2回の水やりを、庭植えの場合は根元を乾燥などから保護するマルチングをしてあげます。

■受粉不足による落果(8月の落果)への対処

栗の実がならないのは、受粉や受精が不十分であることも原因です。栗は1品種ではタネができにくい自家不結実性が強いので、受粉樹が必要になってきます。

8月に落果が多い時には、受精ができないことが大きな原因と思われます。その場合、他品種の苗木を植えたり、接木をしたりと、開花期に他品種の花が咲いている枝を近くに置くと良いです。

■花つきが悪い場合の対処

栗の花つきが悪いのは、日照不足が原因と思われます。栗は日当たりが良いと樹冠の外側によく実が付きます。

逆に言えば、日照不足になりやすい樹冠内部は日陰になっているので枯れやすく花芽ができにくいです。これを改善するには、植えつける場所を日当たりの良いところにして、鉢植えにする場合も日当たりの良い場所に置きます。

花つきに関する剪定は、間引き剪定で樹冠内の込んだところの枝を取り除き、樹冠内部まで日光が入るようにしてやると花つきが多くなります。

老木になるとこの花つきが悪い傾向は顕著にあらわれ、最悪の場合、栗の木自体が枯れてしまうことがあります。

病害虫対策:栗にかかりやすい病害虫と対処法

■①クリタマバチ:芽に寄生して生育を妨げる害虫

栗の芽に寄生して虫こぶ(タマ)を作る害虫です。被害を受けた芽は正常に生育できなくなります。被害が見られた枝は早めに切り取って処分します。

■②クリシギゾウムシ:実の中に侵入する害虫

栗の実の中に幼虫が入り込み、食害することがあります。収穫後の実に小さな穴が開いている場合はこの被害が疑われます。被害を受けた実は早めに処分してください。

■③カイガラムシ:枝に張り付く吸汁害虫

枝に白い粉状のものや貝殻状の突起がついている場合はカイガラムシです。少量なら古い歯ブラシでこすり落とします。冬にマシン油乳剤を散布して防除します。

栗は病害虫も多く発生しますので、密度の濃い枝ぶりは厳禁です。病害虫共通の予防策: 冬の間引き剪定で枝葉の密度を適切に保ち、樹冠内部まで日光と風が行き届く環境を作ることが最大の予防です。

おすすめの道具:プロが実際に使うおの義の道具と選び方

■おの義の剪定ばさみ(細い枝の整理に)

栗の管理で細い枝・徒長枝の整理に使うのが剪定ばさみです。冬の間引き剪定では、枝の重なりを見ながら細かく調整する作業が多くなります。

おの義(おのよし)の剪定ばさみは刃の切れ味・耐久性ともに優れており、現場での長年の使用に耐えます。切れ味の良い刃で切ることで枝の断面がきれいになり、病原菌が入りにくくなります。

お手入れ: 使用後は刃に付いた樹液をウエスで拭き取り、薄く油を塗ります。おの義は研ぎ直しサービスにも対応していますので、長く使い続けることができます。

■剪定ノコギリ(太い枝の切除に必須)

栗は太い枝を切る作業が多くなる木です。届かない太枝を思い切って切る際にはノコギリが必要です。枝元から2~3cmくらい残してノコギリ等で切り落とすことで、枯れや腐れを防げます。

■太枝切りバサミ(高所作業の安全確保に)

最悪でも太枝切りバサミで切れる高さまでは大丈夫ですが、高すぎると作業効率は悪くなりますし、大怪我をする心配があります。高所での太い枝の作業には、長柄の太枝切りバサミの利用も検討してください。

ゴミの処分とマナー:イガと大量の枝葉の片付け方

■剪定ゴミの処分

栗の剪定で出る枝葉は自治体の燃えるゴミに出せることが多いですが、量・袋の指定・長さの制限は自治体によって異なります。太い枝はノコギリで短く切り揃えてから処分すると搬出しやすくなります。

■イガの処分・トゲに注意

栗のイガは鋭いトゲがあり、処理には軍手などの保護具が必須です。素手で扱うと痛い思いをします。落ちたイガは早めに集めて、新聞紙などで包んでからゴミ袋に入れると、収集作業をする方への配慮にもなります。

■ご近所への配慮

栗は大きくなりやすい木です。枝張りがお隣の敷地に越境していないか定期的に確認して、冬の剪定で対処してください。イガや実がお隣の敷地に落ちることもあるため、特に注意が必要です。

プロのホンネ:自分でやる限界と業者に頼む目安

樹高が3~4mを超えている場合: これが栗の管理目安の上限です。これを超えて高所作業が必要になった場合は、転落リスクが非常に高くなります。脚立は絶対に使わず、3脚でも危険を感じたら専門業者への依頼をおすすめします。

根が建物に影響を与えている可能性がある場合: 根が建物を持ち上げるリスクがある狭い敷地では、早めに専門家に相談して対応を検討してください。状況によっては伐採の判断も必要になります。

老木で花つきが悪くなり枯れる気配がある場合: 老木の衰弱は専門家による診断が必要です。早めに相談することをおすすめします。

よくある質問Q&A

Q. 栗を庭に植えても大丈夫ですか?

A. 敷地が広く余裕がある場合は問題ありませんが、狭い敷地にはおすすめしません。樹勢が強く2階の屋根を超えるほど大きくなることがあり、根が建物に影響を与えるリスクもあります。植える前に十分検討することをおすすめします。

Q. 栗の実がならないのはなぜですか?

A. 主な原因は3つあります。樹体の栄養不良(早期落果の原因)、受粉・受精不良(自家不結実性のため受粉樹が必要)、日照不足(花つきの悪化)です。それぞれの対策(施肥・受粉樹の確保・日当たりの改善)を行ってください。

Q. 栗はどのくらいの高さに抑えればいいですか?

A. 樹高は3~4m以内を目安にすることをおすすめします。上ではなく横に伸ばすことで、日当たりも確保しやすく、作業も楽になります。

Q. 受粉樹はなぜ必要ですか?

A. 栗は1品種ではタネができにくい自家不結実性が強いためです。他品種の苗木を植えたり、接木をしたりして、開花期に他品種の花が咲いている枝を近くに置くことで、結実率が上がります。

Q. 早期落果と8月の落果、どう違いますか?

A. 7月の早期落果は樹体の栄養不良が主な原因です。8月の落果は受精ができないことが大きな原因と考えられます。それぞれ施肥や受粉樹の確保で対応が変わってきます。

栗の木は「狭い敷地には植えない方がよい」という前提を踏まえつつ、すでに植えている方は「冬(11~3月)の剪定で樹高3~4m以内を保つ」「前年伸びた花芽つきの充実枝を残す」「日当たりと風通しを確保する間引き」という3つのポイントで管理してください。実がならない場合は栄養・受粉・日照の3方向から原因を探ることが解決の近道です。このページが栗との付き合い方の参考になれば幸いです。

クリの木が弱ったり、クリがならなかったり、枯れる理由には、下のようなことが考えられるので、参考にしてみてください。
  ↓  ↓  ↓

栗の木に虫こぶが発生!原因はなに?病気なの?枯れるの?

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