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お茶の木の剪定時期と剪定方法

はじめに|お茶の木の剪定で迷っていませんか

お茶の木の剪定は、「丈夫で刈り込みに強い」という性質を知っておけば、初心者の方でも生垣として、また自分でお茶を摘む楽しみとともに、上手に付き合っていける木です。

なぜそう言えるのかというと、お茶の木は葉が厚くつやがあり、一年中緑を保つ常緑樹で、刈り込みにとても強く、多少切ってもすぐに新しい芽を出して茂ってくれる、丈夫な木だからです。たとえるなら、茶畑で毎年バリカンのように刈り込まれても、翌年またびっしり新芽を出す、あのたくましさです。ですから、初心者の方が「少し切りすぎたかな」と思っても、すぐに回復してくれるので、安心して手入れに挑戦できます。

具体的にお話しすると、お茶の木は、私たちが毎日飲む「緑茶」「紅茶」「ウーロン茶」の、あのお茶の葉がとれる木です。実は、緑茶も紅茶もウーロン茶も、すべて同じ「お茶の木」の葉から作られます。加工の仕方が違うだけなのです。昔から、農家の畑の境や、家の生垣として植えられてきました。丈夫で目隠しにもなり、しかも新芽を摘んで自家製のお茶が作れるという、暮らしに役立つ木です。初夏の新芽(一番茶)を摘んで、自分でお茶を入れる楽しみは、お茶の木ならではです。

とはいえ、「いつ切ればいいの」「生垣にしたいけどどう刈るの」「チャドクガが怖い」「庭に植えてはいけないって本当」といった疑問や悩みも多く聞きます。この記事では、そうした疑問もすべてスッキリ解決します。

この記事では、お茶の木の特徴や種類、ツバキとの関係、育て方から、剪定の時期と方法、茶摘みのコツ、挿し木での増やし方、そして特に注意したいチャドクガなどの害虫対策まで、お茶の木に関する知りたいことをまるごとお伝えします。この1本を読んでいただければ、お茶の木の剪定や手入れの悩みは、ほとんど解決するはずです。どうぞ最後までお付き合いください。

お茶の木ってどんな木?特徴を詳しく知りましょう

お茶の木は、つやのある厚い葉を持ち、秋に白い花を咲かせる、ツバキの仲間の丈夫な常緑樹で、葉から緑茶や紅茶が作られます。

このことを最初に知っておくと、剪定や育て方のコツがぐっとわかりやすくなります。お茶の木には知っておくと役立つ特徴がたくさんありますので、ここでは特に詳しくお伝えします。

■お茶の正式名称とツバキとの関係

お茶の木の正式な名前(学名)は「カメリア・シネンシス」といいます。「カメリア」は、実はツバキの仲間を表す名前です。つまり、お茶の木は、ツバキやサザンカと同じ「ツバキ科」の仲間なのです。言われてみれば、葉のつやのある感じや、秋に咲く花が、ツバキやサザンカに少し似ています。ツバキの仲間だと知ると、あとでお伝えする「チャドクガ」という毒の毛虫がつく理由も、納得できます(ツバキ・サザンカにもチャドクガがつくからです)。

■緑茶・紅茶・ウーロン茶はすべて同じ木から

お茶の木の最も面白い特徴が、緑茶も紅茶もウーロン茶も、すべてこの同じ木の葉から作られる、ということです。摘んだ葉を、すぐ蒸したり炒めたりして発酵を止めると「緑茶」、しっかり発酵させると「紅茶」、その中間で半分発酵させると「ウーロン茶」になります。同じ葉が、加工次第でまったく違うお茶になるのです。自宅のお茶の木の葉でも、工夫すれば緑茶や紅茶が作れます。

■秋に咲く、白いうつむいた花

お茶の木は、秋(10月~11月ごろ)に、白くて可憐な花を咲かせます。花は、下を向いてうつむくように咲き、黄色いおしべがたくさん見えます。サザンカを小さくしたような、清楚な花です。あまり目立ちませんが、よく見るととてもかわいらしい花です。花言葉には「追憶」「純愛」などがあります。花のあとには、丸い実がなり、中に種が入っています。この種からも、お茶の木を育てられます。

■丈夫で刈り込みに強く、成長は穏やか

お茶の木は、とても丈夫で、刈り込みに非常に強い木です。茶畑では、毎年かまぼこ形に刈り込まれ、新芽を摘まれ続けても、元気に育ちます。この刈り込みへの強さが、生垣に向く理由です。放っておくと2~3メートルほどになりますが、成長は穏やかで、刈り込めば低く保てます。比較的寒さにも強く、日本の広い地域で育ちますが、極端に寒い北海道などでは冬越しが難しいこともあります。栽培の北限は、東北地方あたりとされています。

■お茶の木の種類|やぶきた・べにふうきなど

お茶の木には、いくつもの品種があります。日本で最も広く栽培されているのが「やぶきた」で、緑茶用の代表的な品種です。多くの茶畑がこのやぶきたです。

また、「べにふうき」は、もともと紅茶用に作られた品種で、近年は花粉症によいとされる成分を含むことで注目されています。家庭で育てるなら、手に入りやすい「やぶきた」の苗が育てやすくおすすめです。

■「庭に植えてはいけない」と言われる理由

お茶の木が「庭に植えてはいけない」と言われることがあります。その最大の理由が、これからお伝えする「チャドクガ」という毒の毛虫がつきやすいことです。チャドクガの毒は、触れるとひどくかぶれるので、小さなお子さんがいるご家庭などでは、避けたほうがよいとされるのです。ただ、これは正しく対策すれば防げることですので、チャドクガに気をつければ、お茶の木は生垣にもなり、お茶も楽しめる、有用な木です。

お茶の木の剪定に適した時期

お茶の木の剪定に最も適しているのは、新芽を摘む「茶摘み(初夏)」のあとと、暑さが落ち着いた「秋」です。

なぜこの時期がよいのかというと、お茶の木は、初夏に出る新芽(一番茶)を楽しむ木なので、その新芽を摘んだあとに形を整えると、お茶の収穫と剪定を両立できるからです。また、常緑樹なので、気候のおだやかな時期が木に負担をかけにくいのです。

■茶摘みのあと(初夏・5月~6月)が基本

お茶の木の手入れは、茶摘みとセットで考えるとわかりやすいです。春から初夏に、やわらかい新芽が伸びてきます。この新芽を摘んで(茶摘み)、お茶にします。そして、茶摘みが終わったあと、伸びた枝や乱れた形を整える剪定をします。新芽を摘むことが、そのまま軽い剪定にもなっているのです。本格的に形を整えるなら、この茶摘み後の初夏がおすすめです。

■秋(9月~10月)に整え直す

夏の間に伸びて乱れた形を、暑さが落ち着いた秋に整え直すと、きれいな姿で冬を迎えられます。生垣として形をきっちり保ちたい場合は、この秋の刈り込みも有効です。ただし、秋に強く刈りすぎると、次の春の新芽(一番茶)が減ることもあるので、お茶をたくさん摘みたい方は、秋は軽めにしておくとよいでしょう。

■真夏と真冬の強剪定は避ける

避けていただきたいのは、真夏の暑い盛り(7月~8月)と、凍るような真冬(12月~2月)の強い剪定です。真夏に強く切ると、急に日が当たって葉が傷みます。真冬に切ると、切り口や新芽が寒さでダメージを受けやすくなります。特に、次の春の一番茶の新芽を大切にしたいので、冬の強剪定は避けましょう。

まとめますと、お茶の木の剪定は「茶摘み後の初夏が本番、秋に整え直す、真夏と真冬の強剪定は避ける」と覚えていただければ間違いありません。

お茶の木の剪定方法|生垣もお茶摘みもこれでOK

お茶の木の剪定は、「生垣ならかまぼこ形や台形に刈りそろえ、お茶を楽しむなら新芽を摘みながら整える」という、目的に合わせた方法がコツです。

その理由は、お茶の木の育て方によって、求められる仕上がりが違うからです。目隠しの生垣ならピシッとそろえたいですし、お茶を摘みたいなら新芽を活かしたい。同じ木でも、目的が違えば切り方も変わるのです。

■生垣の場合|かまぼこ形・台形に刈りそろえる

生垣として育てている場合は、刈り込みバサミを使って、表面を刈りそろえます。茶畑のように、上を丸くした「かまぼこ形」にすると、全体に日が当たり、新芽もそろって出やすくなります。生垣として四角くするなら、上を狭く、下を少し広くした「台形」に整えます。下を広くしておくと、上から下までまんべんなく日が当たり、緑が密に保てます。これは生垣をきれいに保つ、昔から伝わる大切なコツです。水平の糸を張ると、面がまっすぐそろってプロのような仕上がりになります。

■お茶を楽しむ場合|新芽を摘んで整える

お茶を楽しみたい場合は、春から初夏に伸びてきたやわらかい新芽を、摘み取ります。摘むのは、枝先の、やわらかい若葉の部分です。「一芯二葉(いっしんによう)」といって、先端の芽と、その下の2枚の若い葉を摘むのが、おいしいお茶の基本です。この新芽を摘むことが、そのまま枝先を整える剪定にもなります。摘んだあと、全体の形が乱れていたら、飛び出した枝を軽く刈りそろえます。

■強剪定で仕立て直す

お茶の木は丈夫なので、古くなって大きく乱れた株を、思い切って切り詰める「強剪定」にもよく耐えます。茶畑でも、古くなった茶樹を、地際近くまで刈り込んで若返らせる作業をします。家庭でも、大きくなりすぎたお茶の木を、春に思い切って強剪定すれば、また株元から新しい枝が出て、若返ります。お茶の木は、この強剪定に応えてくれる、たくましい木です。

■枝を切るときの基本

生垣や刈り込みでは表面をそろえますが、内側が込み合ってきたら、剪定バサミで込み合った枝を間引いて、風を通してあげます。これが、のちほどお伝えするチャドクガなどの害虫予防にもなります。表面を刈るだけでなく、ときどき内側にも目を向けてあげることが、健康に育てるコツです。

切りすぎた・枯れたときのリカバリー方法

もし切りすぎてしまっても、お茶の木は刈り込みに強く生命力が旺盛なので、ほとんどの場合すぐに新しい芽を出して回復しますので、まったく心配いりません。

なぜなら、お茶の木は、茶畑で毎年刈り込まれ続けても平気なほど、刈り込みと芽吹きに強い木だからです。多少バッサリやってしまっても、枯れることはまれで、すぐにまた茂ってきます。

■切りすぎてスカスカにしてしまった場合

うっかり切りすぎて葉が少なくなり、スカスカになってしまっても、あわてず見守ってください。お茶の木は、葉の残っている枝や、株元から、新しい芽をどんどん出してきます。むしろ、古くなった木は、思い切って切ったほうが、若返って元気になることもあります。このとき、「肥料をあげて早く茂らせよう」とあわてないことが大切です。弱った木に急に肥料をあげると、かえって根を傷めます。まずは水やりだけきちんとして、新芽が出るのを待ちましょう。

■「お茶の木が枯れる」原因と対策

あれほど丈夫なお茶の木が枯れるとしたら、原因として多いのが、水はけの悪い場所での根腐れ、極端な乾燥、強い寒さ(寒冷地での冬の傷み)、そしてチャドクガなどの大発生による衰弱です。お茶の木は、水はけがよく、酸性ぎみの土(ツツジなどと同じ)を好みます。じめじめした水はけの悪い場所や、アルカリ性の強い土は苦手です。枯れが心配なときは、まず植えている場所の水はけと日当たりを見直してみてください。元気な枝や株元が残っていれば、そこから復活できることが多いです。

■間違った時期に切ってしまった場合

「うっかり真冬に強く切ってしまった」という場合は、切り口や残った葉が寒さで傷まないよう、寒風から守ってあげてください。暖かくなれば新芽が出てきます。今後は、茶摘み後の初夏や秋に手入れするようにしましょう。お茶の木は丈夫なので、一度の失敗で枯れることはまれです。

お茶の木の病害虫対策|チャドクガに要注意

お茶の木の病害虫は、剪定で風通しを良くしておくことが何よりの予防になりますが、特に「チャドクガ」という毒の毛虫には、細心の注意が必要です。

その理由は、お茶の木(ツバキ科)には、チャドクガという、触れるとひどくかぶれる毒の毛虫が発生しやすいからです。これはお茶の木を育てるうえで、最も気をつけるべき点です。正しく知って、しっかり対策しましょう。

■最も注意すべき|チャドクガ

チャドクガは、お茶の木やツバキ、サザンカにつく、毒を持った毛虫(蛾の幼虫)です。黄色っぽい体に、細かい毒の毛がびっしり生えています。この毒の毛に触れると、皮膚がひどくかぶれて、激しいかゆみが何日も続きます。

やっかいなことに、この毒の毛は、抜け落ちて風で飛ぶこともあり、幼虫に直接触れなくても、近くにいるだけでかぶれることがあります。チャドクガは、葉の裏に、集団で並んでいることが多いです。

対策としては、まず、春から秋にかけて、葉の裏をこまめにチェックすることです。幼虫が小さく、集団で葉裏に並んでいるうちに見つけたら、その葉ごと、枝ごと切り取って、そっと袋に入れて処分するのが最も安全です。絶対に素手で触らず、長袖・手袋・マスクで完全に防御して作業してください。数が多い場合は、専用の薬(殺虫剤)を使います。刈り込みのときに、知らずにチャドクガのいる枝を切ると、毒毛が飛び散るので、作業前に必ず葉裏を確認することが大切です。

■そのほかの害虫|カイガラムシ・アブラムシ・毛虫

お茶の木には、カイガラムシ(白いロウ状の虫)や、アブラムシ、その他の毛虫がつくこともあります。カイガラムシはこすり落とすか薬で、アブラムシは早めにこすり落とすか薬で駆除します。これらのフンから「すす病」というカビが出て、葉が黒く汚れることもあります。また、白い小さな虫が飛んでいたら、コナジラミなどの可能性もあります。いずれも、風通しの悪い込み合った場所に出やすいので、剪定で風を通すことが予防になります。

■スズメバチにも注意

お茶の木は、秋に花が咲くと、その蜜を求めてスズメバチが集まることがあります。花の時期に、お茶の木の周りでスズメバチを見かけたら、刺激しないよう注意してください。手入れをするなら、花の少ない時期を選ぶか、ハチの活動が鈍い涼しい時間帯にするとよいでしょう。

■剪定をサボると出る不調のサイン

剪定をせずに放っておくと、風通しの悪さから、チャドクガなどの害虫が見つけにくくなり、被害が広がりやすくなります。早期発見のサインは、「葉裏に毛虫が並んでいる(チャドクガ・要注意)」「枝葉に白いロウ状のものがつく(カイガラムシ)」「葉が黒くすすける(すす病)」「新芽に小さな虫が群がる(アブラムシ)」といった変化です。気づいたら、風通しをよくし、虫を(チャドクガは絶対に素手で触らず)取り除きましょう。早めの対応が肝心です。

お茶の木の剪定におすすめの道具

お茶の木の剪定では、生垣なら「刈り込みバサミ」、新芽摘みや枝の手入れなら「剪定バサミ」があれば、ほとんどの作業に対応できます。

道具にこだわる理由は、切れ味の悪い道具で切ると、切り口がつぶれてギザギザになり、そこから木が傷んだり病気が入ったりしやすくなるからです。よく切れる道具でスパッと切った切り口は治りが早く、木にやさしいのです。料理で、よく切れる包丁を使うと食材が傷まないのと同じ理屈です。

■生垣には刈り込みバサミ

生垣の表面をかまぼこ形や台形に刈りそろえるには、刈り込みバサミが必要です。刈り込みバサミは広い面を一気に切る道具ですから、軽くて切れ味のよいものを選ぶと、腕が疲れにくく作業がはかどります。

私が長年使っていて自信を持っておすすめできるのは「おの義」の刈り込みバサミです。切れ味がよく丈夫で、長く使えますので、一本良いものを持っておくと生垣の手入れがぐっと楽になります。

■新芽摘みや枝の手入れには剪定バサミ

込み合った枝を間引いたり、飛び出した枝を切ったりするには、剪定バサミを使います。細かい作業に向いています。

こちらも「おの義」の剪定バサミが、切れ味と丈夫さの面で自信を持っておすすめできます。なお、お茶の新芽を摘む(茶摘み)のは、道具を使わず、指で摘むのが基本です。やわらかい新芽は、手でぷちっと摘めます。お茶の木は太い幹を切ることは少ないので、刈り込みバサミと剪定バサミの2つで、ほぼまかなえます。

■チャドクガ対策の装備も忘れずに

お茶の木の手入れでは、道具だけでなく、身を守る装備も大切です。チャドクガの毒毛から身を守るため、長袖・長ズボン・手袋・マスク・帽子で、肌の露出を減らして作業しましょう。これも、お茶の木を安全に手入れするための、大切な「道具」だと考えてください。

■作業後の道具の手入れも忘れずに

道具は使ったあとの手入れが、長持ちさせる秘訣です。刈り込みバサミや剪定バサミは、使い終わったら樹液や汚れを布でふき取り、薄く油を塗っておきます。特に、チャドクガのいた枝を切ったハサミには毒毛がついていることがあるので、よく洗い流してから使いましょう。樹液をつけたまま放っておくとサビや切れ味の低下の原因になります。

切った枝の処分とご近所マナー

剪定で出た枝葉は、短く切って束ねれば、多くの自治体で燃えるゴミとして安く処分できますが、チャドクガのついた枝は特に注意して処分します。

なぜこの話をするかというと、お茶の木は、切ったあとのゴミ処理で、チャドクガの毒毛への配慮が特に必要だからです。安全に処分するコツを知っておきましょう。

■ラクに安全に処分するコツ

枝葉を自治体のゴミに出すときは、まず指定の長さ(多くは50センチ程度)に切りそろえます。生垣を刈る前に木の下にブルーシートを敷いておくと、刈り終わったあとシートごと葉をまとめられて、片づけが一気に楽になります。これは私たちプロも現場でよく使う方法です。短くした枝は、ビニールひもで十文字にギュッと縛るか、袋に詰めます。

ここで大切なのは、チャドクガの毒毛への配慮です。チャドクガがいた枝や、いたかもしれない枝を処分するときは、毒毛が飛び散らないよう、袋にしっかり入れて口を固く閉じてから処分してください。素手で触らず、手袋をして作業しましょう。刈り取った枝葉を長く放置すると、そこにチャドクガが残っていることもあるので、早めに片づけるのが安心です。お住まいの地域でゴミの出し方のルールが違いますので、一度確認しておくと安心です。

■お隣にはみ出した枝の扱い

お茶の木は生垣に使われることが多く、お隣との境界に植えると枝葉がはみ出しやすいものです。これはご近所トラブルの原因になりやすいので、はみ出す前にこまめに刈っておくのが一番です。特に、チャドクガがつく木なので、はみ出した枝にチャドクガがいると、お隣に迷惑をかけることになります。この点でも、こまめな手入れが大切です。

もしすでにはみ出している場合は、勝手に切る前に、まずお隣に一声かけるのがマナーです。「枝がはみ出してご迷惑をおかけしています、切らせていただきます」とひと言伝えるだけで、相手の印象はまったく違います。ちょっとした気づかいが、長いご近所付き合いを円満にする秘訣です。

お茶の木の育て方と挿し木での増やし方

お茶の木は、日当たりと水はけのよい、酸性ぎみの土を好み、丈夫に育ち、「挿し木」や「種まき」で増やすこともできます。

なぜこの話をするかというと、育て方の基本と増やし方を知っておくと、お茶の木をもっと楽しめるからです。生垣の補充や、鉢植えを増やすのに、自分で増やせると便利です。

■育て方の基本|鉢植え・地植え

お茶の木は、日当たりのよい場所を好みますが、半日陰でも育ちます。水はけがよく、酸性ぎみの土(ツツジ・サザンカと同じような土)を好みます。地植えなら、根づいてしまえば、ほとんど手をかけなくても育ちます。鉢植えやプランター、ベランダでも育てられ、その場合は、土の表面が乾いたら水をあげます。

鉢植えは根が詰まりやすいので、数年に一度、一回り大きな鉢に植え替えると元気に育ちます。植え替えや植え付けは、暖かくなる春がおすすめです。肥料は、春と秋に、油かすなどを控えめにあげると、新芽の出がよくなります。寒い地域では、鉢植えにして冬は軒下に移すなど、冬越しの工夫をすると安心です。

■挿し木・種まきでの増やし方

お茶の木は挿し木で増やせます。適した時期は、梅雨のころ(6月~7月)です。その年に伸びた元気な枝を、10~15センチほどに切り、下の葉を取って湿った土にさし、明るい日陰で乾かさないように管理すると、根が出てきます。また、秋にとれた実(種)をまいて増やす「種まき(実生)」もできます。

種は、とれたらすぐにまくか、春までしっかり保存してまきます。種から育てると、お茶の木の一生を楽しめますが、収穫できる大きさになるには数年かかります。剪定で出た枝を挿し木に活かせるので、ぜひ試してみてください。

よくある質問Q&A

最後に、お茶の木についてよくいただく質問にお答えします。

Q. 緑茶と紅茶は、違う木からとれるのですか?
A. いいえ、同じ「お茶の木」の葉からとれます。摘んだ葉を発酵させずに作ると緑茶、しっかり発酵させると紅茶、半分発酵させるとウーロン茶になります。加工の違いで、別のお茶になるのです。

Q. お茶の木は「庭に植えてはいけない」というのは本当ですか?
A. 絶対にだめということではありません。チャドクガという毒の毛虫がつきやすいことから、そう言われます。小さなお子さんがいるご家庭は注意が必要ですが、チャドクガをこまめにチェックして対策すれば、生垣として、またお茶を楽しむ木として育てられます。

Q. 自分の家のお茶の木で、お茶は作れますか?
A. 作れます。春から初夏に、やわらかい新芽(一芯二葉)を摘み、蒸すか炒めて発酵を止め、もんで乾かせば、自家製の緑茶ができます。少し手間はかかりますが、自分で育てたお茶の味は格別です。

Q. チャドクガが怖いです。どうすればいいですか?
A. 春から秋に、葉の裏をこまめにチェックしてください。幼虫が葉裏に集団でいるうちに、その葉・枝ごと切り取り、袋に密閉して処分するのが安全です。絶対に素手で触らず、長袖・手袋・マスクで防御してください。毒毛はかぶれるので、細心の注意を。

Q. 剪定や茶摘みの時期はいつですか?
A. 春から初夏に新芽を摘み(茶摘み)、そのあとに形を整えるのが基本です。秋にも整え直せます。真夏と真冬の強剪定は避けてください。次の春の新芽を大切にするなら、冬は切りすぎないようにしましょう。

Q. 強く切っても枯れませんか?
A. お茶の木は刈り込みにとても強いので、まず枯れません。茶畑でも毎年刈り込まれています。古くなった木は、思い切って強剪定すると、株元から新しい枝が出て若返ります。

Q. 挿し木で増やせますか?
A. 増やせます。梅雨のころ(6月~7月)に、元気な枝を10~15センチほど切り、下の葉を取って湿った土にさし、明るい日陰で管理すると根が出ます。種からも育てられます。

Q. 寒い地域でも育てられますか?
A. お茶の木は比較的寒さに強いですが、栽培の北限は東北地方あたりとされ、極端に寒い北海道などでは、屋外での冬越しが難しいことがあります。寒い地域では、鉢植えにして冬は軒下や室内に移すと安心です。

Q. お茶の木は何科ですか?ツバキと関係ありますか?
A. お茶の木はツバキ科の仲間で、学名を「カメリア・シネンシス」といいます。ツバキやサザンカと同じ仲間です。だからこそ、ツバキ類につくチャドクガが、お茶の木にもつくのです。

お茶の木は、丈夫で刈り込みに強く、生垣にもなり、自分でお茶を摘んで楽しめるという、暮らしに役立つ魅力あふれる木です。「茶摘み後に手入れ」「チャドクガに細心の注意」「刈り込みに強く強剪定で若返る」という点さえ押さえれば、初心者の方でも生垣やお茶づくりを楽しめます。緑茶も紅茶も同じ木から作れるという面白さも、お茶の木ならではです。この記事を参考に、ぜひお茶の木との暮らしを楽しんでください。木と向き合い、自分で育てたお茶を味わう時間は、きっと格別なものになるはずです。

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