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ヒノキの剪定時期と剪定方法|生垣として失敗しない切り方を庭師が解説

はじめに|ヒノキの剪定で迷っていませんか

ヒノキの剪定は、「緑の葉を残して切る」という針葉樹ならではのルールと、「大きくなる木だ」という性質を知っておけば、庭木や生垣として上手に付き合っていける木です。

なぜこの2つを最初にお伝えするかというと、ヒノキはこれまでの多くの庭木とは、剪定の考え方が少し違うからです。

ヒノキのような針葉樹は、葉のまったくない、茶色い古い枝の部分まで切り込んでしまうと、そこから新しい芽が出ずに枯れてしまうことがあります。多くの丈夫な木のように「バッサリ切ればまた生えてくる」とはいかないのです。

また、ヒノキは放っておくととても大きくなる木なので、庭で楽しむには高さをおさえる手入れも欠かせません。この2つのポイントさえ知っていれば、ヒノキの手入れは、そう難しくありません。

具体的にお話しすると、ヒノキは、日本を代表する高級な木材として知られる、常緑の針葉樹です。まっすぐな幹と、平たいうろこのような葉が特徴で、木全体からとてもよい香りがします。この香りは「ヒノキの香り」として、多くの方に愛されています。ヒノキ風呂(ひのきぶろ)や、ヒノキのまな板、ヒノキのアロマオイルなど、その香りとよい材質は、暮らしのさまざまな場面で活かされてきました。神社やお寺の建築にも使われ、日本最古の木造建築も、ヒノキで建てられています。丈夫で長持ちし、香り高い、まさに木の王様のような存在です。

とはいえ、庭木や生垣として付き合うには、剪定のコツがいります。また、スギと並んで花粉症の原因にもなるので、その点も知っておきたいところです。

この記事では、ヒノキの特徴やスギ・サワラ・ヒバとの違い、花粉のこと、香りの活用、庭木・生垣としての剪定の時期と方法、大きくなりすぎた木の伐採まで、ヒノキに関する知りたいことをまるごとお伝えします。この1本を読んでいただければ、ヒノキの手入れの悩みは、ほとんど解決するはずです。どうぞ最後までお付き合いください。

ヒノキ(檜)の木の特徴を詳しく知りましょう

ヒノキは、平たいうろこ状の葉と、まっすぐな幹を持ち、木全体がよい香りを放つ、日本を代表する高級な常緑針葉樹です。

このことを最初に知っておくと、剪定や手入れのコツがぐっとわかりやすくなります。ヒノキには知っておくと役立つ特徴がたくさんありますので、ここでは特に詳しくお伝えします。

■平たいうろこ状の葉と、独特のよい香り

ヒノキの葉は、スギのような針ではなく、平たいうろこ状の小さな葉が、重なり合ってつきます。触ってもチクチクせず、なめらかです。

葉や枝、幹から、ヒノキ独特の、清々しくよい香りがします。この香りには、心を落ち着ける働きや、虫を寄せつけない働きがあるといわれ、古くから活かされてきました。

この葉の裏を見ると、白い気孔帯(きこうたい)という部分が、アルファベットの「Y」の字のような模様に見えるのが特徴です。

ヒノキの葉

■木材の王様|ヒノキ風呂や建築に

ヒノキは、木材としての価値が非常に高い木です。まっすぐで、狂いが少なく、水や湿気に強く、腐りにくい。そしてよい香りがする。この優れた性質から、最高級の建築材として、神社仏閣(じんじゃぶっかく)や、高級な家の柱・板に使われてきました。「ヒノキ風呂」は、その香りと水への強さを活かした、ぜいたくなお風呂の代表です。また、まな板や、桶(おけ)、家具、そしてアロマオイルや入浴剤の香り成分としても、幅広く使われます。木の香りを暮らしに取り入れる代表格が、ヒノキなのです。

■ヒノキとスギの違い

ヒノキとよく比べられるのがスギです。どちらも日本の代表的な針葉樹ですが、違いがあります。

木材としては、ヒノキのほうが高級で、水に強く、香りも珍重されます。スギはやわらかく加工しやすく、より安価で大量に使われます。

葉を見ると、スギの葉は針のようにとがってチクチクします。ヒノキの葉は平たいうろこ状で、チクチクしません。「チクチクの針がスギ、なめらかなうろこがヒノキ」と覚えるとわかりやすいです。

スギ

■ヒノキとサワラ、ヒバの違い

ヒノキには、よく似た仲間があります。「サワラ」と「ヒバ(アスナロ)」です。

サワラは、ヒノキにそっくりですが、葉の裏の白い模様が、ヒノキの「Y字」に対して、「X字」や「H字」のように見えるので、見分けられます。サワラのほうが、葉が細く、木材はヒノキより軽く柔らかいです。

サワラの葉

ヒバ(アスナロ)は、葉がより厚く大きく、独特の強い香りがあり、特に虫やカビに強い木材として知られます。どれもヒノキの仲間の針葉樹で、香りのよい木です。庭木や生垣には、これらの仲間もよく使われます。

ヒバの葉

■「檜」と「桧」の違い

「ヒノキ」の漢字には、「檜」と「桧」の2つがあります。これは、実は同じ字で、「檜」が本来の字(旧字体)、「桧」がそれを簡略にした字(新字体)です。読み方も意味も同じヒノキですので、どちらを使っても間違いではありません。

■花粉について

ヒノキも、スギと並んで、花粉症の原因となる木です。ヒノキ花粉は、スギ花粉より少し遅れて、春(3月~5月ごろ)に飛びます。スギ花粉のピークが過ぎたころに、ヒノキ花粉のピークがやってきます。スギとヒノキ、両方の花粉症の方は、長い期間つらい思いをすることになります。庭にヒノキを植える場合は、この花粉のことも考えておくとよいでしょう。花言葉には「不老」「不死」「強い忍耐」などがあります。

■庭木・生垣としてのヒノキ

大きくなるヒノキですが、剪定で仕立てれば、庭木や生垣として楽しめます。特に、「チャボヒバ」や「golden(ゴールデン)クレスト」など、園芸用に改良された、大きくなりすぎず育てやすいヒノキの仲間があり、庭木や鉢植え、生垣として人気です。香りを楽しみながら、緑を身近に置ける、すてきな木です。

ヒノキの剪定に適した時期

ヒノキの剪定に最も適しているのは、暑さ寒さがやわらいだ「春(3月~4月)」と「秋(9月~10月)」です。

なぜこの時期がよいのかというと、ヒノキは常緑の針葉樹で、極端に暑い時期や寒い時期に強く切ると木が弱りやすく、気候のおだやかな春と秋が木に負担をかけにくいからです。人間でいえば、過ごしやすい季節に手入れをしてあげるイメージです。

■春(3月~4月)と秋(9月~10月)が基本

庭木や生垣のヒノキを整える剪定は、この春と秋におこなうのがおすすめです。新芽が動く前の春や、暑さが落ち着いた秋なら、切ったあとの回復がよく、きれいに仕立てられます。生垣の刈り込みや、庭木の枝の整理は、この時期におこないましょう。特に、新芽が伸びる前の春の手入れは、そのあとの生育がよく、おすすめです。

■花粉の時期の作業に注意

ヒノキならではの注意点として、花粉の時期があります。ヒノキ花粉は、春(3月~5月)に飛びます。この時期にヒノキの剪定をすると、花粉を浴びることになります。花粉症の方は、この時期の作業は避けるか、マスクやゴーグルでしっかり防御して作業してください。花粉が飛び終わったあとや、秋に作業するのが安心です。

■真夏と真冬は避ける

避けていただきたいのは、真夏の暑い盛りと、凍るような真冬です。極端な暑さ寒さの時期に強く切ると、木が弱ることがあります。

まとめますと、ヒノキの剪定は「春と秋が本番、花粉の時期は防御か回避、真夏と真冬は避ける」と覚えていただければ間違いありません。

ヒノキの剪定方法|緑を残して形を仕上げる

ヒノキの剪定は、「緑の葉を残しながら、飛び出した枝や込み合った枝を整理し、自然な円すい形を保つ」のが基本です。

その理由は、ヒノキは針葉樹で、葉のない古枝から芽吹きにくいため、緑を残して切ることが絶対の基本になるからです。また、ヒノキは放っておくと自然に、上がとがった円すい形(クリスマスツリーのような形)にまとまるので、その形を活かすと美しく仕上がります。

■緑の葉を残して切るのが鉄則

ヒノキの剪定で最も大切なのが、「緑の葉のある部分を残して切る」ことです。針葉樹のヒノキは、葉のまったくない、茶色い枝の部分まで切り込むと、そこから新しい芽が出ず、その枝が枯れてしまいます。ですから、枝を短くする場合も、必ず緑の葉を少し残した位置で切ります。「緑を残す」を徹底すれば、大きな失敗は防げます。これは、これまでの広葉樹とはっきり違う、針葉樹ならではの大切なルールです。

■飛び出した枝・込み合った枝を整理する

自然な円すい形から、ぴょんと飛び出して乱れた枝を、緑を残して切りそろえます。また、内側で込み合った枝や、枯れた枝、下のほうの弱った枝を整理して、風通しよくします。ヒノキは葉が密に茂るので、内側まで光と風が通るように、適度に透かしてあげることが、健康と、病害虫予防のために大切です。

■生垣の場合|刈り込みで整える

ヒノキ(やチャボヒバなど)を生垣として育てている場合は、刈り込みバサミで表面を刈りそろえます。上を狭く、下を少し広くした「台形」に整えると、下枝まで日が当たり、緑が密に保てます。ただし、刈り込むときも、葉のある表面だけを刈り、内部の葉のない古枝まで深く刈り込まないよう注意します。深く刈りすぎると、そこがハゲて緑が戻らなくなります。

■芯止め|高さをおさえる

ヒノキを庭木として管理できる高さに保つには、いちばん上に伸びる中心の幹(芯)の先を切って、それ以上高くならないようにする「芯止め(しんどめ)」をします。ただし、高い位置での作業になるので、手の届く範囲を超える芯止めは、無理をせずプロに頼んでください。

切りすぎた・失敗したときのリカバリー方法

ヒノキの剪定で失敗しても、対処法を知っていれば立て直せますが、ヒノキは葉のない古枝から芽吹きにくいので、切る前の慎重さが特に大切です。

なぜなら、ヒノキは針葉樹で、強く切った幹や、葉のない茶色い古枝からは、新しい芽が出にくい性質があるからです。この点が、「切っても芽吹く」広葉樹とは大きく違います。だからこそ、失敗を防ぐことが何より大切です。

■緑を残さず切って、ハゲてしまった場合

ヒノキで最も多い失敗が、緑の葉を残さずに、茶色い古枝まで深く刈り込んで、その部分がハゲて茶色いままになってしまうことです。残念ながら、葉を完全に失った部分は、そこから芽が出ず、緑が戻らないことが多いです。この場合の対処は、周りの緑の枝が伸びて、時間をかけてその部分を覆い隠すのを待つことです。あるいは、ハゲた部分が目立つ場合は、その枝を付け根から切り取って、別の枝で隠すように仕立て直します。いずれにせよ、「緑を残して切る」を今後徹底することが、何よりの対策です。

■緑を残して切りすぎた場合

緑の葉を残した範囲で切りすぎて、少し寂しくなった程度なら、心配いりません。緑の葉が残っていれば、そこから新しい芽が伸びて、回復してきます。あわてず、水やりをきちんとして見守りましょう。急に肥料をあげると根を傷めるので、回復してから控えめにあげます。

■芯を切った・間違った時期に切った場合

芯止めで芯を切った場合、その先は高くならず、横の枝が伸びて樹形を作ります。これは正しい手入れです。花粉の時期など、間違った時期に切ってしまっても、緑を残していれば、時期による失敗で枯れることはまれです。次回から適期に切るようにしましょう。

ヒノキの病害虫対策

ヒノキは、香りの力もあって比較的病害虫に強い木ですが、風通しが悪いと、葉が枯れる病気や害虫が出ることがあり、剪定での風通し確保が予防になります。

その理由は、ヒノキの香り成分には虫を寄せつけない働きがある一方、枝葉が密に茂って風通しが悪くなると、病害虫が出やすくなるからです。剪定で適度に枝を整理し、風と光を通すことが、健康に保つ基本です。

■気をつけたい葉の病気

ヒノキには、葉が茶色く枯れる病気が出ることがあります。これは、風通しが悪くジメジメした環境で発生しやすくなります。一部の葉が急に茶色くなって枯れてきたら、注意が必要です。込み合った枝を整理して風通しをよくし、ひどい場合は薬を使います。ただし、ヒノキは、内側の古い葉が寿命で自然に茶色くなって落ちることもあるので、病気か自然な変化かは、よく見極めましょう。内側の葉が少し枯れて落ちるのは、自然なことです。

■つきやすい害虫

ヒノキは香りで比較的虫に強いですが、それでも、葉を食べる毛虫(蛾の幼虫)や、幹に穴を開ける虫(カミキリムシの幼虫など)がつくことがあります。葉が食べられていたり、幹に穴や木くずが出ていたりしたら、注意します。毛虫は取り除くか薬で駆除し、幹の虫は穴に薬を注入するなどして対処します。

■剪定をサボると出る不調のサイン

剪定をせずに放っておくと、風通しの悪さから不調が出やすくなります。早期発見のサインは、「内側や一部の葉が茶色く枯れこむ」「葉が食べられる(毛虫)」「幹に穴や木くずが出る」といった変化です。気づいたら、込み合った枝を整理して風を通し、虫を取り除き、ひどい場合は薬を使いましょう。早めの対応が肝心です。

ヒノキの剪定におすすめの道具

ヒノキの剪定では、細い枝用の「剪定バサミ」、生垣用の「刈り込みバサミ」、太い枝・幹用の「ノコギリ」が活躍します。

道具にこだわる理由は、切れ味の悪い道具で切ると、切り口がつぶれて木が傷みやすくなるうえ、ヤニ(樹液)の多いヒノキでは、道具の手入れも仕上がりを左右するからです。よく切れる道具は、きれいな切り口と、作業の快適さを守ってくれます。

■細い枝には剪定バサミ

ヒノキの細い枝を整理するには、剪定バサミを使います。切れ味のよいものが一本あると、たくさんの枝もきれいに切れて作業がはかどります。私が長年使っていて自信を持っておすすめできるのは「おの義」の剪定バサミです。切れ味がよく丈夫で、長く使えますので、一本良いものを持っておくと、ヒノキだけでなくお庭のさまざまな手入れに役立ちます。

■生垣には刈り込みバサミ

ヒノキやチャボヒバの生垣の表面を刈りそろえるには、刈り込みバサミが必要です。広い面を一気に切れて便利です。こちらも「おの義」の刈り込みバサミなら、切れ味がよく作業がはかどります。

■太い枝・幹にはノコギリ

ヒノキの太い枝を切ったり、芯止めをしたりするときは、剪定用のノコギリが欠かせません。園芸用のノコギリは引くときに切れるようにできていますので、力を入れず、引く動作でリズムよく切れます。

■ヤニ対策の道具の手入れを忘れずに

道具は使ったあとの手入れが、長持ちさせる秘訣です。ヒノキはヤニ(樹液)が出るので、切ると刃にヤニがついてベタつき、切れ味が落ちます。使い終わったら、専用のクリーナーや消毒用アルコールで、刃についたヤニをしっかりふき取り、薄く油を塗っておきます。ヤニをつけたまま放っておくと、サビや切れ味低下の原因になります。ヒノキの手入れでは、このヤニのふき取りが、道具を長持ちさせるポイントです。

切った枝葉の処分とご近所マナー

剪定で出た枝葉は、短く切って束ねれば、多くの自治体で燃えるゴミとして処分できます。ヒノキは葉が細かく、よい香りがするので、処分も少し楽しいものです。

なぜこの話をするかというと、剪定そのものより「切ったあとのゴミ処理」で困る方が多いからです。ヒノキは、細かいうろこ状の葉がたくさん出て散らばりやすいので、上手にまとめるコツが役立ちます。

■ラクに処分するコツ

ヒノキの枝葉を自治体のゴミに出すときは、まず指定の長さ(多くは50センチ程度)に切りそろえます。剪定の前に木の下にブルーシートを敷いておくと、細かい葉が散らばらず、終わったあとシートごとまとめられて、片づけが一気に楽になります。これは私たちプロも現場でよく使う方法です。短くした枝は、ビニールひもで十文字にギュッと縛ります。細かい葉は、自治体指定のゴミ袋に詰めます。

ちなみに、ヒノキの葉や枝はよい香りがするので、乾かして布袋に入れ、香り袋(サシェ)や、天然の虫よけとして使う方もいます。捨てる前に、少し香りを楽しむのも、ヒノキならではです。量が多い場合は、クリーンセンターへ持ち込むと安く処分できることもあります。お住まいの地域でルールが違いますので、一度確認しておくと安心です。

■お隣にはみ出した枝の扱い

ヒノキは大きくなり、枝を横に広げるので、枝がお隣の敷地や道路にはみ出しやすい木です。花粉の時期には、花粉がご近所に飛ぶことも気になる点です。枝のはみ出しは、はみ出す前にこまめに切っておくのが一番です。

もしすでにはみ出している場合は、勝手に切る前に、まずお隣に一声かけるのがマナーです。「枝がはみ出してご迷惑をおかけしています、切らせていただきます」とひと言伝えるだけで、相手の印象はまったく違います。なお、大きくなったヒノキの高い枝のはみ出しは、自分で無理に切ろうとせず、プロに頼むのが安全です。

自分でやる限界と、業者に頼む目安|伐採も

ヒノキは、手の届く範囲の庭木・生垣ならご自分で手入れできますが、高くなった木の剪定や、大木の伐採は、必ずプロに頼んでください。

なぜこうお伝えするかというと、ヒノキは非常に高く大きくなる木で、高い場所での作業や、大木の伐採は、極めて危険で専門技術が必要だからです。剪定作業で最も多い事故は「高所からの転落」です。特にヒノキは高くなるので、その危険が大きい木です。

■こうなったらプロを呼びましょう

具体的に、次のような場合は必ずプロに頼んでください。木の高さが、三脚で安全に届く範囲を超えたとき。高さ3メートルを超える芯止めや枝の手入れは、転落の危険があります。大きくなりすぎたヒノキを、伐採(切り倒して処分)したいとき。大木の伐採は、倒す方向の見極め、周囲の安全確保など、高度な専門技術と経験が必要で、絶対に素人がやってはいけない作業です。木の芯が腐っていたり、キノコが生えていたりして倒れる危険があるときも、すぐにプロに相談してください。電線の近くの枝も、感電の危険があるので、必ずプロに任せます。

■ヒノキは特に「引き際」が大切

ヒノキは、とても大きくなる木です。だからこそ、「自分でやる限界」を、はっきり意識する必要があります。手の届く範囲の庭木・生垣の手入れ(緑を残した刈り込み)はご自分で、高い作業や芯止め、伐採はプロに。この線引きが、ヒノキと安全に付き合う秘訣です。一度プロに手に負える大きさに整えてもらえば、そのあとの維持はご自分でもできます。

【忙しい人向け】15分で終わるズボラ剪定

「完璧じゃなくていいから、とにかく手早く整えたい」という方は、手の届く範囲で、表面から飛び出した枝と、下のほうの枯れ枝を、緑を残して切るだけで、15分ほどで十分すっきりします。

その理由は、ヒノキの見た目をすっきりさせるのに一番効くのが、飛び出した枝を整え、枯れ枝を取ることだからです。これだけで、円すい形が引き締まって、手入れされた印象になります。完璧を求めず、ポイントだけ押さえるのがズボラ剪定のコツです。

具体的な手順はこうです。まず2~3歩離れて、円すい形の表面から「ぴょん」と飛び出している枝を見つけます。次に、その飛び出した枝を、緑の葉を残した位置で切りそろえます。最後に、下のほうや内側の、茶色く枯れた枝を取り除きます。これだけで、すっきりと整った印象になります。

大切なのは、緑の葉のない古枝まで深く切り込まないことと、手の届く範囲だけにすること、そして花粉の時期を避けることです。高いところや芯止めは、無理せずプロに任せましょう。ヒノキは、表面を軽く整えるだけでも、よい香りとともに気持ちよく仕上がりますので、ぜひ安全な範囲で試してみてください。

よくある質問Q&A

最後に、ヒノキについてよくいただく質問にお答えします。

Q. ヒノキとスギの違いは何ですか?
A. 葉で見分けます。スギの葉は針のようにとがってチクチクします。ヒノキの葉は平たいうろこ状で、チクチクせず、裏に白いY字模様が見えます。木材としては、ヒノキのほうが高級で水に強く、香りも珍重されます。

Q. ヒノキとサワラはどう見分けますか?
A. 葉の裏の白い模様で見分けます。ヒノキは「Y字」、サワラは「X字」や「H字」のように見えます。サワラのほうが葉が細く、木材は軽く柔らかいです。どちらもよく似たヒノキの仲間です。

Q. ヒノキ花粉はいつまで飛びますか?
A. ヒノキ花粉は、スギ花粉より少し遅れて、春の3月~5月ごろに飛びます。スギ花粉のピークが過ぎたころにヒノキのピークが来るので、両方の花粉症の方は長くつらい時期が続きます。剪定は花粉の時期を避けるか、防御して行いましょう。

Q. ヒノキは強く切っても大丈夫ですか?
A. 注意が必要です。ヒノキは針葉樹で、葉のない茶色い古枝まで切り込むと、そこから芽が出ず、その部分がハゲて緑が戻らないことがあります。必ず緑の葉を残した位置で切ってください。これがヒノキの剪定で最も大切な点です。

Q. 生垣のヒノキ(チャボヒバ)の内側が茶色くハゲてしまいました。戻りますか?
A. 葉を完全に失った部分は、緑が戻りにくいです。周りの緑の枝が伸びて覆うのを待つか、目立つ場合は仕立て直します。今後は、表面の緑を残して浅く刈ることを心がけてください。

Q. 「檜」と「桧」は違う木ですか?
A. 同じヒノキです。「檜」が本来の字、「桧」がそれを簡略にした字で、読み方も意味も同じです。どちらを使っても間違いではありません。

Q. ヒノキの葉や香りは虫よけになりますか?
A. ヒノキの香り成分には、虫を寄せつけにくい働きがあるといわれます。乾かした葉を布袋に入れて、天然の虫よけや香り袋として楽しむ方もいます。市販品ほどの強い効果は期待しすぎず、ほのかな香りを楽しむとよいでしょう。

Q. 大きくなったヒノキを自分で伐採できますか?
A. 大きなヒノキの伐採は、非常に危険なので、ご自分でやってはいけません。倒す方向の見極めなど専門技術が必要です。必ず伐採業者や造園業者に依頼してください。

Q. 挿し木で増やせますか?
A. 増やせます。春から梅雨のころに、元気な枝を10~15センチほど切り、湿った土にさして明るい日陰で管理すると、根が出ます。園芸品種のヒノキの仲間も、挿し木で増やせるものが多いです。

ヒノキは、清々しいよい香りと、最高級の材質を持つ、まさに木の王様のような、日本を代表する木です。「緑の葉を残して切る」「大きくなるので高さに注意」「高い作業と伐採はプロに任せる」という点さえ押さえれば、庭木や生垣として、その香りと美しい緑を楽しめます。花粉の時期にだけ気をつけて、安全な範囲で手入れをしてあげましょう。この記事を参考に、ぜひヒノキと上手に付き合ってください。木と向き合う時間は、その香りとともに、きっと心地よいものになるはずです。

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