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スギの剪定時期と剪定方法|失敗しない切り方を庭師が解説

はじめに|スギの剪定で迷っていませんか

スギの剪定は、「とても大きくなる木だ」と理解したうえで、目的に合わせて枝を整理したり高さをおさえたりすることを心がければ、庭木として付き合っていける木です。

なぜこのことを最初にお伝えするかというと、スギは日本を代表する、とても背が高く大きく育つ木だからです。たとえるなら、山や神社にそびえ立つ、あの堂々とした大木です。屋久島(やくしま)の縄文杉(じょうもんすぎ)のように、樹齢何千年ともいわれる巨木もあります。この「大きくなる」という性質を知らずに庭に植えると、あっという間に手に負えない高さになってしまいます。逆に、性質を理解して、庭木として小さく仕立てたり、生垣にしたりすれば、その美しい緑を楽しむこともできます。

具体的にお話しすると、スギは、まっすぐ天に向かって伸びる幹と、細くとがった針のような葉(針葉=しんよう)が特徴の、常緑の針葉樹です。日本各地の山に植えられ、木材(建築材)として、日本の家づくりを支えてきました。やわらかく加工しやすく、まっすぐで、よい香りがするため、柱や板、家具など、幅広く使われます。神社のご神木としても大切にされ、日本人の暮らしと信仰に、深く関わってきた木です。一方で、春先に大量の花粉を飛ばし、花粉症の原因としても知られています。

とはいえ、庭木や生垣として付き合うには、剪定のコツがいります。この記事では、スギの特徴やヒノキとの違い、花粉のこと、庭木・生垣としての剪定の時期と方法、林業でおこなう枝打ちや芯止め、そして大きくなりすぎた木の伐採まで、スギに関する知りたいことをまるごとお伝えします。この1本を読んでいただければ、スギの手入れの悩みは、ほとんど解決するはずです。どうぞ最後までお付き合いください。

スギ(杉)の木の特徴を詳しく知りましょう

スギは、まっすぐ高く伸びる幹と、針のような葉を持つ、日本を代表する常緑の針葉樹で、木材として広く使われてきました。

このことを最初に知っておくと、剪定や手入れのコツがぐっとわかりやすくなります。スギには知っておくと役立つ特徴がたくさんありますので、ここでは特に詳しくお伝えします。

■まっすぐ高く、大きく育つ

スギの最大の特徴は、まっすぐ天に向かって、とても高く伸びることです。自然に育つと、高さ30メートルを超え、時には50メートル近くにもなります。日本の樹木の中でも、特に背の高くなる木です。成長も比較的早く、木材にするのに向いています。庭木として見ると、この「まっすぐ高くなる」性質は、「放っておくと、とんでもない高さになる」ということを意味します。だからこそ、庭で楽しむには、高さをおさえる手入れが欠かせません。

■針のような葉と、独特の香り

スギの葉は、細くとがった、針のような形をしています(針葉)。枝に、らせん状に密につきます。この葉や幹には、スギ独特の、さわやかでよい香りがあります。この香りは、リラックス効果があるともいわれ、スギの木材で作った部屋やお風呂は、よい香りに包まれます。葉は一年中緑ですが、寒くなると、種類や環境によっては、少し赤茶色っぽくなることもあります。

■スギとヒノキの違い

スギとよく比べられるのが「ヒノキ」です。どちらも日本の代表的な針葉樹で、木材として重要ですが、違いがあります。

葉を見ると、スギの葉は針のようにとがって、チクチクします。ヒノキの葉は、平たいうろこ状で、ちくちくせず、裏に白いY字やアルファベットの模様が見えます。「葉がチクチクの針ならスギ、平たいうろこならヒノキ」と覚えるとわかりやすいです。

また、香りも少し違い、木材としては、ヒノキのほうが高級とされ、水に強く、スギはやわらかく加工しやすい、という違いがあります。

スギの葉

ヒノキの葉

■花粉について

スギといえば、花粉症を思い浮かべる方も多いでしょう。スギは、春先(2月~4月ごろ)に、大量の花粉を飛ばします。これは、スギの雄花(おばな)から出るもので、花粉症の大きな原因となっています。

戦後、たくさんのスギが植えられ(植林)、それが成長して花粉を飛ばすようになったことが、花粉症が広がった背景にあります。近年は、花粉の少ない品種や、花粉を出さないスギの開発も進められています。庭にスギを植える場合、この花粉のことも考えておくとよいでしょう。

■木材としての利用と、暮らしとの関わり

スギの木材は、まっすぐで、やわらかく加工しやすく、香りがよいため、古くから日本の家づくりに欠かせませんでした。柱、板、天井、家具、そして酒樽(さかだる)や割りばしなど、暮らしのあらゆる場面で使われてきました。まっすぐ長くとれるので、建築の材料として重宝されます。神社のご神木や、街道の並木としても植えられ、日本の風景を形づくってきた、まさに国を代表する木なのです。花言葉には「雄大」「堅固(けんご)」などがあります。

■庭木・生垣としてのスギ

大きくなるスギですが、剪定で小さく仕立てれば、庭木や生垣としても利用できます。特に、生垣用に育てやすくした品種もあり、目隠しや境界として使われます。また、盆栽としても、スギは人気があります。大きくなる性質を、剪定でコントロールすることで、暮らしのそばで楽しめるのです。

スギの剪定に適した時期

スギの剪定に最も適しているのは、暑さ寒さがやわらいだ「春(3月~4月)」と「秋(9月~10月)」です。

なぜこの時期がよいのかというと、スギは常緑の針葉樹で、極端に暑い時期や寒い時期に強く切ると木が弱りやすく、気候のおだやかな春と秋が木に負担をかけにくいからです。人間でいえば、過ごしやすい季節に手入れをしてあげるイメージです。

■春(3月~4月)と秋(9月~10月)が基本

庭木や生垣のスギを整える剪定は、この春と秋におこなうのがおすすめです。新芽が動く前の春や、暑さが落ち着いた秋なら、切ったあとの回復がよく、きれいに仕立てられます。生垣の刈り込みや、庭木の枝の整理は、この時期におこないましょう。

■花粉の時期の作業に注意

ひとつ、スギならではの注意点があります。春先、特に2月~4月は、スギ花粉が飛ぶ時期です。この時期にスギの剪定をすると、大量の花粉を浴びることになります。花粉症の方は、この時期の作業は避けるか、マスクやゴーグルでしっかり防御して作業してください。花粉の心配を考えると、花粉が飛び終わったあとの春の終わりや、秋に作業するのが安心です。

■真夏と真冬は避ける

避けていただきたいのは、真夏の暑い盛りと、凍るような真冬です。極端な暑さ寒さの時期に強く切ると、木が弱ることがあります。

まとめますと、スギの剪定は「春と秋が本番、花粉の時期は防御か回避、真夏と真冬は避ける」と覚えていただければ間違いありません。

スギの剪定方法|庭木・生垣・林業それぞれ

スギの剪定は、「庭木なら高さをおさえて枝を整理し、生垣なら刈り込み、林業なら枝打ち」と、目的によって方法が分かれます。

その理由は、スギは使い方によって、求められる仕立て方がまったく違うからです。庭のシンボルとして、生垣として、または木材を育てるために、それぞれの目的に合った手入れがあります。ここでは、家庭で関わることの多いものを中心にお伝えします。

■庭木の場合|高さをおさえ、枝を整理する

庭木としてスギを楽しむ場合、いちばん大切なのが、高さをおさえることです。放っておくと高くなりすぎるので、手の届く、または管理できる高さに保つ必要があります。上に伸びる幹の先を止める「芯止め(しんどめ)」という作業で、それ以上高くならないようにします。芯止めについては、次でお伝えします。

また、混み合った枝や、下のほうの枯れた枝、内側の枝を整理して、風通しよく、すっきりとした姿に整えます。スギは自然に円すい形(クリスマスツリーのような形)にまとまるので、その形を活かすときれいです。

■芯止め|高さを止める大切な作業

「芯止め」とは、いちばん上に伸びる中心の幹(芯)の先端を切って、それ以上高くならないように止める作業です。庭木のスギを、管理できる高さに保つために、とても重要な手入れです。ただし、高い位置での作業になるので、危険を伴います。手の届く範囲でできない高さの芯止めは、無理をせず、プロに頼んでください。一度芯を止めれば、あとは横に出る枝を整理しながら、その高さを保てます。

■生垣の場合|刈り込みで整える

スギを生垣として育てている場合は、刈り込みバサミで表面を刈りそろえます。上を狭く、下を少し広くした「台形」に整えると、下枝まで日が当たり、緑が密に保てます。これは生垣をきれいに保つ、昔からの基本です。年に2回ほど、春と秋に刈り込むと、きれいな生垣を保てます。

■林業の枝打ち|よい木材のために

参考までに、山で木材用に育てるスギには、「枝打ち(えだうち)」という作業をします。これは、幹の下のほうの枝を、付け根から切り落とす作業です。枝を落とすことで、節(ふし=木材にした時に枝のあとが丸く残る部分)の少ない、まっすぐで上質な木材が育ちます。枝打ちは、よい木材を育てるための、林業の大切な技術です。家庭の庭木ではあまり関係ありませんが、スギの手入れとして知っておくと、理解が深まります。

切りすぎた・失敗したときのリカバリー方法

スギの剪定で失敗しても、対処法を知っていれば立て直せますが、スギは切った部分から芽吹きにくい性質があるので、切る前の慎重さが特に大切です。

なぜなら、スギは、広葉樹(クスノキやクワなど)とは違い、強く切った幹や、葉のない古い枝からは、新しい芽が出にくい性質があるからです。この点が、これまで紹介してきた「切っても芽吹く」木々とは大きく違います。だからこそ、失敗を防ぐことが何より大切です。

■緑の葉を残して切るのが鉄則

スギで最も大切なのは、「緑の葉のある部分を残して切る」ことです。針葉樹のスギは、葉のまったくない、茶色い枝の部分まで切り込むと、そこから新しい芽が出ず、その枝が枯れてしまうことがあります。ですから、枝を短くする場合も、必ず緑の葉を少し残した位置で切ります。「緑を残す」を徹底すれば、大きな失敗は防げます。

■切りすぎてスカスカにした場合

もし緑の葉を切りすぎて、スカスカになってしまった場合、葉の残っている部分があれば、そこは回復してきますが、葉を失った枝は元に戻らないことがあります。あわてず、残った緑の葉を大切にして、木の力で回復するのを待ちます。水やりをきちんとし、急に肥料をあげないことが大切です。スカスカになった部分は、周りの枝が伸びて、時間をかけて目立たなくなるのを待ちましょう。

■芯を切りすぎた・間違った時期に切った場合

芯止めで芯を切った場合、その先は高くならず、横の枝が伸びて樹形を作っていきます。これは失敗ではなく、正しい手入れです。ただ、切った位置が悪くて形が乱れた場合は、横に出た枝の中から新しい中心にする枝を選んで、少しずつ整えていきます。花粉の時期など、間違った時期に切ってしまっても、スギは丈夫なので、時期による失敗で枯れることはまれです。次回から適期に切るようにしましょう。

スギの病害虫対策

スギは比較的丈夫な木ですが、風通しの悪さから、葉が枯れる病気や、葉を食べる害虫が出ることがあり、剪定での風通し確保が予防になります。

その理由は、スギも、枝葉が密に茂って風通しが悪くなると、病害虫が出やすくなるからです。剪定で適度に枝を整理し、風と光を通すことが、健康に保つ基本です。

■気をつけたい葉の病気

スギには、葉が茶色く枯れる「葉枯れ病(はがれびょう)」などの病気が出ることがあります。これは、風通しが悪くジメジメした環境で発生しやすくなります。一部の葉が急に茶色くなって枯れてきたら、注意が必要です。込み合った枝を整理して風通しをよくし、ひどい場合は薬を使います。ただし、スギは冬に葉が自然に赤茶色っぽくなることもあるので、病気か自然な変化かは、よく見極めましょう。

■つきやすい害虫|スギドクガなどの毛虫

スギの葉を食べる害虫として、スギドクガという蛾(が)の幼虫(毛虫)がつくことがあります。葉が食べられていたら、毛虫がいないか確認します。「ドクガ」と名前につきますが、この毛虫の毛には、実は毒はありません。とはいえ、見た目が気になる場合や数が多い場合は、取り除くか薬で駆除します。そのほか、幹に穴を開ける虫がつくこともあります。

■剪定をサボると出る不調のサイン

剪定をせずに放っておくと、風通しの悪さから不調が出やすくなります。早期発見のサインは、「内側の葉が茶色く枯れこむ」「葉が食べられる(毛虫)」「幹に穴や木くずが出る」といった変化です。気づいたら、込み合った枝を整理して風を通し、虫を取り除き、ひどい場合は薬を使いましょう。早めの対応が肝心です。

スギの剪定におすすめの道具

スギの剪定では、細い枝用の「剪定バサミ」と、太い枝・幹用の「ノコギリ」、生垣なら「刈り込みバサミ」が活躍します。

道具にこだわる理由は、切れ味の悪い道具で切ると、切り口がつぶれて木が傷みやすくなるうえ、スギは太い枝や幹を切る場面も多く、よい道具が安全と仕上がりを左右するからです。よく切れる道具は、きれいな切り口と、作業の安全を守ってくれます。

■細い枝には剪定バサミ

スギの細い枝を整理するには、剪定バサミを使います。切れ味のよいものが一本あると、たくさんの枝もきれいに切れて作業がはかどります。私が長年使っていて自信を持っておすすめできるのは「おの義」の剪定バサミです。切れ味がよく丈夫で、長く使えますので、一本良いものを持っておくと、スギだけでなくお庭のさまざまな手入れに役立ちます。

■生垣には刈り込みバサミ

スギの生垣の表面を刈りそろえるには、刈り込みバサミが必要です。広い面を一気に切れて便利です。こちらも「おの義」の刈り込みバサミなら、切れ味がよく作業がはかどります。

■太い枝・幹にはノコギリ

スギの太い枝を切ったり、芯止めをしたり、枝打ちをしたりするときは、剪定用のノコギリが欠かせません。園芸用のノコギリは引くときに切れるようにできていますので、力を入れず、引く動作でリズムよく切れます。スギはやわらかめの木なので、よく切れるノコギリならスムーズに切れます。

■作業後の道具の手入れも忘れずに

道具は使ったあとの手入れが、長持ちさせる秘訣です。剪定バサミやノコギリは、使い終わったらヤニ(樹液)や汚れを布でふき取り、薄く油を塗っておきます。スギはヤニが出るので、刃にヤニがつくとベタつき、切れ味が落ちます。作業後は、専用のクリーナーやアルコールでヤニをふき取っておくと、長持ちします。汚れをつけたまま放っておくとサビの原因にもなります。

切った枝葉の処分とご近所マナー

剪定で出た枝葉は、短く切って束ねれば、多くの自治体で燃えるゴミとして処分できます。スギは葉が細かく、量も多く出やすいので、コツを知っておくと楽です。

なぜこの話をするかというと、剪定そのものより「切ったあとのゴミ処理」で困る方が多いからです。特にスギは、細かい針葉がたくさん出て、散らばりやすいので、上手にまとめるコツが役立ちます。

■ラクに処分するコツ

スギの枝葉を自治体のゴミに出すときは、まず指定の長さ(多くは50センチ程度)に切りそろえます。剪定の前に木の下にブルーシートを敷いておくと、細かい葉が散らばらず、終わったあとシートごとまとめられて、片づけが一気に楽になります。これは私たちプロも現場でよく使う方法です。

短くした枝は、ビニールひもで十文字にギュッと縛ります。細かい葉は、自治体指定のゴミ袋に詰めます。乾いたスギの葉はよく燃えるので、地域で認められていれば、たき火や焚きつけに使う方もいますが、火の扱いには十分注意し、地域のルールを守ってください。量が多い場合は、クリーンセンターへ持ち込むと安く処分できることもあります。

■お隣にはみ出した枝の扱い

スギは大きくなり、枝を横に広げるので、枝がお隣の敷地や道路にはみ出しやすい木です。また、花粉の時期には、花粉がご近所に飛ぶことも気になる点です。枝のはみ出しは、はみ出す前にこまめに切っておくのが一番です。

もしすでにはみ出している場合は、勝手に切る前に、まずお隣に一声かけるのがマナーです。「枝がはみ出してご迷惑をおかけしています、切らせていただきます」とひと言伝えるだけで、相手の印象はまったく違います。なお、大きくなったスギの高い枝のはみ出しは、自分で無理に切ろうとせず、プロに頼むのが安全です。

自分でやる限界と、業者に頼む目安|伐採も

スギは、手の届く範囲の庭木・生垣ならご自分で手入れできますが、高くなった木の剪定や、大木の伐採は、必ずプロに頼んでください。

なぜこうお伝えするかというと、スギは非常に高く大きくなる木で、高い場所での作業や、大木の伐採は、極めて危険で専門技術が必要だからです。剪定作業で最も多い事故は「高所からの転落」です。特にスギは高くなるので、その危険が大きい木です。

■こうなったらプロを呼びましょう

具体的に、次のような場合は必ずプロに頼んでください。

木の高さが、三脚で安全に届く範囲を超えたとき。高さ3メートルを超える芯止めや枝の手入れは、転落の危険があります。大きくなりすぎたスギを、伐採(切り倒して処分)したいとき。大木の伐採は、倒す方向の見極め、周囲の安全確保など、高度な専門技術と経験が必要で、絶対に素人がやってはいけない作業です。

木の芯が腐っていたり、キノコが生えていたりして倒れる危険があるときも、すぐにプロに相談してください。電線の近くの枝も、感電の危険があるので、必ずプロに任せます。

■大木の伐採や売却について

「大きくなりすぎたスギを何とかしたい」「山のスギを売りたい」という方もいるでしょう。大木の伐採は、専門の伐採業者や造園業者に依頼します。費用は、木の大きさや場所、作業の難しさによって変わります。

また、木材として価値のあるスギは、林業関係の業者に相談すると、売却できることもあります。いずれにせよ、大きなスギの処分や活用は、専門家に相談するのが、安全で確実です。

■スギは特に「引き際」が大切

スギは、これまで紹介してきたどの木よりも大きくなる可能性がある木です。だからこそ、「自分でやる限界」を、特にはっきり意識する必要があります。手の届く範囲の庭木・生垣の手入れはご自分で、高い作業や伐採はプロに。この線引きが、スギと安全に付き合う絶対の秘訣です。

【忙しい人向け】15分で終わるズボラ剪定

「完璧じゃなくていいから、とにかく手早く整えたい」という方は、手の届く範囲の「枯れ枝・下のほうの垂れた枝・はみ出し枝」を切るだけで、15分ほどで十分すっきりします。

その理由は、スギの見た目をすっきりさせるのに一番効くのが、下のほうの枯れた枝や、垂れ下がった枝を整理することだからです。これだけで、幹まわりがすっきりし、木が引き締まって見えます。完璧を求めず、ポイントだけ押さえるのがズボラ剪定のコツです。

具体的な手順はこうです。まず木の下のほうを見て、茶色く枯れている枝を、付け根から切り落とします。次に、下向きに垂れ下がった枝や、お隣・通路にはみ出した枝を、手の届く範囲で切ります。このとき、必ず緑の葉を残した位置で切るのを忘れずに。これだけで、すっきりと手入れされた印象になります。

大切なのは、緑の葉のない古枝まで切り込まないことと、手の届く範囲だけにすること、そして花粉の時期を避けることです。高いところや芯止めは、無理せずプロに任せましょう。スギは、下のほうを整理するだけでも見違えますので、ぜひ安全な範囲で試してみてください。

よくある質問Q&A

最後に、スギについてよくいただく質問にお答えします。

Q. スギとヒノキの違いは何ですか?
A. 葉で見分けます。スギの葉は針のようにとがってチクチクします。ヒノキの葉は平たいうろこ状で、裏に白いY字模様が見えます。どちらも日本の代表的な針葉樹で、木材として重要です。

Q. スギの花粉はいつ飛びますか?剪定で花粉を減らせますか?
A. スギ花粉は、主に2月~4月に飛びます。雄花を含む枝を剪定で減らせば、その木からの花粉は多少減らせますが、大きな木では現実的でないことも多いです。花粉の時期の剪定は、花粉を浴びるので、防御するか避けましょう。

Q. スギは強く切っても大丈夫ですか?
A. 注意が必要です。スギは、葉のない茶色い古枝まで切り込むと、そこから芽が出ず枯れることがあります。必ず緑の葉を残した位置で切ってください。これがスギの剪定で最も大切な点です。

Q. 大きくなりすぎたスギを低くできますか?
A. 「芯止め」で、それ以上高くならないように止めることはできます。ただし高い作業は危険なので、高い木の芯止めや、大きく低くする作業は、プロに頼んでください。

Q. 花が咲かない・花粉が出ないスギはありますか?
A. あります。近年、花粉を出さない、または花粉の少ないスギの品種が開発され、植えられるようになっています。これから植えるなら、こうした品種を選ぶと、花粉の心配が減ります。

Q. 庭のスギを全部切りたいのですが、自分でできますか?
A. 小さい木ならともかく、大きくなったスギの伐採は、非常に危険なので、ご自分でやってはいけません。倒す方向の見極めなど専門技術が必要です。必ず伐採業者や造園業者に依頼してください。

Q. スギの葉が冬に茶色くなりました。枯れたのですか?
A. 枯れていない可能性が高いです。スギは、寒くなると、種類や環境によって葉が赤茶色っぽくなることがあります。春に暖かくなれば、また緑に戻ります。一部だけ急に枯れる場合は病気を疑いますが、全体が冬に色づくのは自然なことです。

Q. スギの木は売れますか?
A. 木材として価値のあるまっすぐな大きなスギは、林業関係の業者に相談すると、売却できることがあります。ただし、木の状態や場所、搬出のしやすさによります。まずは専門業者に相談してみましょう。

スギは、まっすぐ天に伸び、日本の山と暮らしを支えてきた、雄大で堂々とした木です。「とても大きくなる」「緑の葉を残して切る」「高い作業と伐採はプロに任せる」という点さえ押さえれば、庭木や生垣として、その美しい緑と香りを楽しめます。花粉の時期にだけ気をつけて、安全な範囲で手入れをしてあげましょう。この記事を参考に、ぜひスギと上手に付き合ってください。木と向き合う時間は、きっと心地よいものになるはずです。

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