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桐(キリ)の木の剪定時期と剪定方法

はじめに|桐の木の剪定で迷っていませんか

桐の木の剪定は、「とにかく成長が早く、大きくなる木だ」と理解したうえで、葉の落ちた冬にこまめに手を入れることを心がければ、初心者の方でも付き合っていける木です。

なぜこのことを最初にお伝えするかというと、桐は植物の中でも特に成長が早く、放っておくとあっという間に大木になってしまう木だからです。たとえるなら、まるで竹のような勢いで、一年で何メートルも伸びることもあります。「気がついたら屋根の高さを超えていた」というのが、桐ではめずらしくありません。この性質を知らずに「小さな苗だから」と油断していると、数年後には手に負えない大木になって困ってしまうのです。

具体的にお話しすると、桐は昔から日本人の暮らしと深く結びついてきた、由緒ある木です。軽くて湿気に強く、狂いにくい良質な木材になるため、タンスや琴(こと)、下駄(げた)などに使われてきました。特に「桐のタンス」は、大切な着物をしまう高級家具として知られています。また、女の子が生まれると桐を植え、嫁入りのときにその桐でタンスを作る、という美しい風習が各地にありました。初夏には、薄紫色の上品な花を高いところに咲かせ、大きなハート形の葉を茂らせます。

とはいえ、庭木として付き合うには、この「成長の早さ」と「大きくなる」という性質を、しっかり理解しておく必要があります。大きくなりすぎると、剪定が高所での危険な作業になり、ご自分では手に負えなくなります。逆に、その旺盛な生命力を理解して上手に付き合えば、桐ならではの仕立て直しの楽しみもあります。

この記事では、桐の特徴から剪定の時期、桐ならではの「台切り」という思い切った仕立て直しの方法、そして「もし失敗してしまったらどうするか」というところまで、すべて丁寧にお伝えします。特に「どこまで自分でやって、どこからプロに頼むか」という見極めは、大きくなる桐ではとても大切ですので、しっかりお伝えします。この1本を読んでいただければ、桐の木の剪定に関する悩みは、ほとんど解決するはずです。どうぞ最後までお付き合いください。

桐(キリ)の木の特徴を詳しく知りましょう

桐は、成長がとびきり早く大きく育つ、大きなハート形の葉と薄紫の花が特徴の、暮らしや文化と深く結びついた木です。

このことを最初に知っておくと、剪定の意味やコツがぐっとわかりやすくなります。桐は特徴をいくつも持っていて、それを理解することで、なぜこまめな管理が必要なのかが腑に落ちるからです。ここでは特に詳しく、桐の個性をお伝えします。

■とにかく成長が早く、大きくなる

桐の最大の特徴は、その成長の早さです。植物の中でもトップクラスの速さで伸び、条件がよければ一年で2メートル以上も伸びることがあります。数年で高さ10メートルを超える大木になることもめずらしくありません。この成長の早さこそ、桐がタンスの材料として重宝されてきた理由でもあります。早く育つので、短い年月で家具に使える太さになるのです。庭木として見ると、この成長の早さは「こまめに切らないと、すぐに手に負えなくなる」ということを意味します。

■大きなハート形の葉

桐の葉は、とても大きく、ハート形をしています。大人の顔がすっぽり隠れるくらいの大きさになることもあり、よく茂って立派な日陰を作ります。この大きな葉は、夏は涼しい木陰を作ってくれますが、秋に落葉すると大量の落ち葉になり、片づけが大変、という面もあります。葉が大きいぶん、一枚一枚の存在感があります。

■初夏に咲く、薄紫の上品な花

桐は、初夏(5月ごろ)に、薄紫色のラッパのような形の花を、枝の先に房(ふさ)になって咲かせます。高いところに咲くので見上げる形になりますが、その上品な紫色は、見る人を楽しませてくれます。この桐の花は、古くから高貴なものの象徴とされてきました。家紋や、日本の国の紋章のひとつである「桐紋(きりもん)」にも使われ、五百円硬貨にも桐の花がデザインされています。それほど、桐は日本人にとって特別な木なのです。

■暮らしと文化に根ざした木

桐は、木材としての価値が非常に高い木です。軽くて、湿気を通しにくく、火に強く、それでいて狂いが少ない。この優れた性質から、大切なものをしまうタンスや、琴などの楽器、下駄などに使われてきました。桐のタンスは、湿気から着物を守る高級家具です。前にふれたように、女の子の誕生に桐を植える風習があったほど、桐は人々の暮らしに寄り添ってきました。庭の桐にも、こうした文化の香りが感じられます。

■切られると、さらに勢いよく芽吹く

桐は生命力が非常に強く、幹を切られても、その切り株から勢いよく新しい芽を出して再生する力を持っています。この強い再生力こそ、桐の管理を理解するうえで重要なポイントです。後でお伝えする「台切り」という思い切った仕立て直しができるのも、この強い生命力があるからです。切っても切っても生えてくる、たくましい木なのです。

桐の木の剪定に適した時期

桐の木の剪定に最も適しているのは、葉が落ちて木が休んでいる「冬(12月~2月)」です。

なぜ冬がよいのかというと、この時期の桐は活動を休んでいるため、枝を切られても木への負担(ダメージ)が少なくて済むからです。落葉樹である桐は、葉を落として冬の間ぐっすり眠っています。その眠っている間にそっと手入れをしてあげるのが、木にとって一番やさしいのです。

■冬(12月~2月)が基本の剪定時期

葉がすっかり落ちた冬は、枝ぶり(枝の形)がはっきり見えるため、どこを切ればよいか初心者の方でも判断しやすいという大きな利点があります。葉が茂っていると枝が隠れて見えませんが、冬なら骨格がまる見えです。太い枝を切る「大きな剪定」や、木の高さをおさえる作業、そして後でお伝えする「台切り」も、この冬におこなうのが基本です。桐は成長が早いので、冬に一度しっかり整えておくことが大切です。

■成長を止めたいなら早めの芽かきも有効

桐は成長が早いので、春から夏にかけて、幹や切り口から勢いよく新しい芽(ひこばえや胴吹き芽)が次々と出てきます。これらを放っておくとすぐに枝になって茂るので、伸びてほしくない芽は、小さいうちに手でかき取る「芽かき」をしておくと、あとの剪定が楽になります。やわらかい芽のうちなら手で簡単に取れるので、見つけたらこまめに取り除きましょう。

■真夏の強剪定は避ける

避けていただきたいのは、真夏の暑い盛り(7月~8月)の強い剪定です。真夏に強く切ると、急に日が当たって枝や幹が傷んだり、木が弱ったりします。また、葉が茂っている夏は、どこを切るべきか判断しにくく、切りすぎる失敗も起きやすくなります。夏は、伸びすぎた芽を軽くかき取る程度にとどめましょう。

まとめますと、桐の剪定は「冬が基本、春夏は芽かきで勢いをおさえる、真夏の強剪定は避ける」と覚えていただければ間違いありません。

桐の木の剪定方法|大きくしないのがコツ

桐の木の剪定は、「いらない枝や芽をこまめに取り、伸びすぎた部分を切り戻して、これ以上大きくしない」という考え方で進めるのがコツです。

その理由は、桐は放っておくと際限なく大きくなる木なので、剪定の一番の目的が「大きさをコントロールすること」だからです。美しく整えることももちろん大切ですが、それ以上に「手に負える大きさに保つ」ことを意識するのが、桐と長く付き合う秘訣です。

■まず「切るべき枝・芽」を見分ける

優先して取り除くのは、枯れている枝、内側に向かって伸びている枝、ほかの枝と交差してこすれている枝、そして幹の途中や根元から勢いよく出てきた芽(胴吹き芽・ひこばえ)です。桐は特にこの胴吹き芽やひこばえが多く出るので、これらをこまめに取り除くことが、すっきりした姿を保つカギになります。これらを取るだけでも、木全体がぐっと落ち着きます。

■高さをおさえる「切り戻し」

桐で特に大切なのが、高さをおさえる「切り戻し」です。上に伸びすぎた枝や幹の先を、途中の元気な枝分かれのところまで切り戻して、それ以上高くならないようにします。ただし、桐は切ると、その近くから勢いよく新しい芽が何本も出てくるので、切り戻したあとは、出てきた芽の中から残すものを選び、ほかをかき取る作業が必要になります。一度切って終わりではなく、その後の芽の管理がセットだと考えてください。

■桐ならではの「台切り」という仕立て直し

桐には、ほかの木にはあまりない、思い切った仕立て直しの方法があります。それが「台切り(だいぎり)」です。これは、大きくなりすぎた桐を、幹の低い位置でバッサリと切ってしまう方法です。普通の木ならこんなことをしたら枯れてしまいますが、桐は生命力が非常に強いので、切り株から再び勢いよく芽を出して再生します。

実は、良質な桐の木材を育てるために、昔からこの台切りがおこなわれてきました。一度地際で切ると、そこからまっすぐで質のよい幹が伸びてくるのです。庭の桐が大きくなりすぎて困った場合も、この台切りで一度リセットする、という方法があります。ただし、太い幹を切るのは大変な作業で危険も伴うので、大きな桐の台切りは、後でお伝えするようにプロに任せるのが安全です。

■枝を切るときの基本のコツ

枝を切るときは、枝の付け根、幹から少しふくらんだ部分のすぐ外側で切ります。太い枝を切るときは、いきなり上から切ると枝の重みで樹皮がベリッと裂けてしまいます。これを防ぐために、まず枝の下側から少し切り込みを入れ、それから上から切り落とすと、きれいに切れます。桐は枝も幹も太くなりやすいので、太い切り口には癒合剤(ゆごうざい)という保護剤を塗っておくと、雑菌や害虫の侵入を防げて安心です。

■高い枝は無理をしない

ここが最も大切な注意点です。桐は大きくなるので、剪定が高所での作業になりがちです。脚立で安全に届く範囲を超える高い枝や幹は、絶対に無理をしないでください。詳しくはのちほど「業者に頼む目安」でお伝えしますが、命に関わることですので、ここでも強調しておきます。

切りすぎた・失敗したときのリカバリー方法

もし切りすぎてしまっても、桐は生命力がとびきり強いので、ほとんどの場合むしろ勢いよく芽吹いて回復しますので、枯らす心配はほとんどいりません。

なぜなら、桐は切られると再生する力が非常に強い木だからです。多くの方が心配される「切りすぎてしまった」というケースでも、桐が枯れてしまうことはまれで、むしろ「切ったら芽が出すぎて困る」ほどです。大切なのは、失敗したあとの対応です。

■切りすぎてスカスカ・丸坊主にした場合

うっかり切りすぎて枝が少なくなってしまったときは、まったく心配いりません。桐は再生力が強いので、春になれば幹や切り口から、驚くほどたくさんの新しい芽を出してきます。むしろ問題は、芽が出なさすぎることではなく、出すぎることのほうです。

たくさん芽が出てきたら、その中から、形のよい元気な芽を数本だけ残し、ほかはかき取って整理します。全部残すと、また密集して大きく茂ってしまうからです。「残す芽を選んで、あとは取る」。この作業をしてあげれば、数年で再びきれいな姿に仕立て直せます。桐の場合、リカバリーで困るのは「芽が出ないこと」より「芽を選んで減らすこと」だと覚えておいてください。

■勢いよく芽が出すぎて困る場合

桐を切ると、幹のあちこちから、まるで噴水のように新芽が吹き出してくることがあります。これは失敗ではなく、桐の自然な反応です。あわてず、その中から残す芽を選び、ほかをこまめにかき取っていけば大丈夫です。やわらかい芽のうちなら手で簡単に取れます。この芽の整理を面倒がらずにやることが、桐を手に負える大きさに保つコツです。

■間違った時期(真夏)に切ってしまった場合

「うっかり真夏に強く切ってしまった」という場合は、切り口や残った枝が直射日光で焼けないように気を配ってください。急に日が当たるようになった幹は、人間でいう日焼けのように傷むことがあります。寒冷紗(かんれいしゃ)という薄い布などで一時的に日陰を作ってあげると安心です。また、夏は乾燥しやすいので、土が乾いていたら朝か夕方の涼しい時間に水をたっぷりあげてください。ただ、桐は丈夫なので、真夏に切っても枯れることはまれです。

桐の木の病害虫対策

桐の病害虫は、剪定で風通しを良くしておくことと、特に「テッポウムシ」への注意が、何よりの予防になります。

その理由は、桐につきやすい虫の多くが、「葉が茂りすぎてジメジメした、風の通らない場所」を好むことに加え、桐はやわらかい木質ゆえに、幹を食い荒らす虫の被害を受けやすいからです。剪定で風を通し、ときどき幹をチェックすることが、桐を健康に保つカギになります。

■特に注意|テッポウムシ(カミキリムシの幼虫)

桐で特に気をつけたいのが、テッポウムシです。これはカミキリムシの幼虫で、幹の中に入り込んで内部を食い荒らします。桐は木質がやわらかいので、特にこの被害を受けやすい木です。幹の根元やまわりに、木くず(おがくずのようなもの)が落ちていたら、テッポウムシがいるサインです。放っておくと幹が内側から空洞になり、木が弱って、最悪の場合は風で折れたり枯れたりすることもあります。木くずを見つけたら、その穴に専用の薬を注入するなどして駆除します。早期発見が何より大切なので、ときどき幹の根元をチェックする習慣をつけましょう。

■葉につく害虫|毛虫やアブラムシ

桐の大きな葉には、葉を食べる毛虫(蛾の幼虫など)がつくことがあります。葉が急に食べられて穴だらけになっていたら、毛虫がいないか確認してください。種類によっては触るとかぶれるものもいますので、見つけても素手で触らず、割りばしなどで取り除くか、薬で駆除しましょう。また、新芽にアブラムシがつくこともあります。小さな虫が群がっていたら、早めにこすり落とすか薬で駆除します。

■剪定をサボると出る不調のサイン

剪定をせずに放っておくと、風通しの悪さから不調が出やすくなります。早期発見のサインは、「幹の根元に木くずが出る(テッポウムシ)」「葉が急に食べられて穴だらけになる(毛虫)」「新芽に小さな虫が群がる(アブラムシ)」「葉や枝が黒くすすける(すす病)」といった変化です。こうしたサインに気づいたら、込み合った枝を間引いて風を通し、虫を取り除き、ひどい場合は薬を使いましょう。特にテッポウムシは木の寿命に関わるので、早めの対応が肝心です。

桐の木の剪定におすすめの道具

桐の木の剪定では、細い枝や芽用の「剪定バサミ」と、太い枝・幹用の「ノコギリ」の2つが、特に活躍します。

道具にこだわる理由は、切れ味の悪い道具で切ると、切り口がつぶれてギザギザになり、そこから木が傷んだり病気が入ったりしやすくなるからです。よく切れる道具でスパッと切った切り口は治りが早く、木にやさしいのです。桐は太い枝や幹を切る場面も多いので、特にノコギリが重要になります。

■細い枝・芽には剪定バサミ

指くらいの太さまでの枝や、かき取りきれずに伸びた芽は、剪定バサミで切ります。剪定バサミは数を多く使う道具ですから、切れ味がよく、手になじむものを選びたいところです。私が長年使っていて自信を持っておすすめできるのは「おの義」の剪定バサミです。切れ味がよく丈夫で、長く使えますので、一本良いものを持っておくと作業がぐっと楽になります。

■太い枝・幹にはノコギリ

桐は太い枝や幹を切る機会が多いので、剪定用のノコギリが欠かせません。園芸用のノコギリは引くときに切れるようにできていますので、力を入れず、引く動作でリズムよく切るときれいに切れます。太枝を切るときは、先ほどお伝えしたように下から切り込みを入れてから上で切ると、樹皮が裂けません。ただし、桐の太い幹を切る「台切り」のような作業は、ノコギリでも大変で危険なので、無理せずプロに任せましょう。

■作業後の道具の手入れも忘れずに

道具は使ったあとの手入れが、長持ちさせる秘訣です。剪定バサミやノコギリは、使い終わったら樹液や汚れを布でふき取り、薄く油を塗っておきます。樹液をつけたまま放っておくとサビや切れ味の低下の原因になります。また、病気の木を切ったハサミをそのまま別の木に使うと、病気をうつしてしまうことがあります。気になるときは、消毒用アルコールで刃をふいてから次の木に移ると安心です。道具を大切にすることは、木を大切にすることにもつながります。

切った枝の処分とご近所マナー

剪定で出た枝葉は、短く切って束ねれば、多くの自治体で燃えるゴミとして安く処分できます。ただし桐は太い枝や大きな葉が大量に出るので、処分のコツを知っておくと楽です。

なぜこの話をするかというと、剪定そのものより「切ったあとのゴミ処理」で困る方がとても多いからです。特に桐は大きく、太い枝や、大きな葉がたくさん出ます。せっかくきれいに剪定できても、大量のゴミの処分に手間取ると、剪定そのものがおっくうになってしまいます。

■ラクに安く処分するコツ

枝葉を自治体のゴミに出すときは、まず指定の長さ(多くは50センチ程度)に切りそろえます。桐の太い枝はノコギリでギコギコと短くしていきます。これは少し力のいる作業ですが、面倒がらずに短くしておくと、あとがぐっと楽になります。短くした枝は、ビニールひもで十文字にギュッと縛ると、運びやすくなります。桐の大きな葉は意外とかさばるので、自治体指定のゴミ袋にぎゅっと詰めます。桐は軽い木なので、見た目のわりに持ち運びは楽なのが、せめてもの救いです。

桐は量が多くなりがちなので、一度にたくさん出ると回収してもらえないこともあります。その場合は、何回かに分けて出すか、自治体のクリーンセンターへ直接持ち込むと、安く処分できることもあります。お住まいの地域でルールが違いますので、一度確認しておくと安心です。

■お隣にはみ出した枝の扱い

桐は大きく枝を広げ、大きな葉を茂らせる木なので、枝葉がお隣の敷地や道路にはみ出しやすいものです。さらに、大きな落ち葉がお隣に飛んでいくこともあります。これはご近所トラブルの原因になりやすいので、はみ出す前にこまめに切っておくのが一番です。

もしすでにはみ出している場合は、勝手に切る前に、まずお隣に一声かけるのがマナーです。「枝がはみ出してご迷惑をおかけしています、切らせていただきます」とひと言伝えるだけで、相手の印象はまったく違います。落ち葉の季節には、お隣に飛んだ落ち葉を掃除するなどの気配りも、円満なご近所付き合いの秘訣です。なお、大きくなった桐の高い枝のはみ出しは、自分で無理に切ろうとせず、プロに頼むのが安全です。

自分でやる限界と、業者に頼む目安

桐は成長が早く大木になる木なので、高さ3メートルを超える作業や、太い幹の台切りは、無理をせず必ずプロに頼んでください。

なぜここまではっきりお伝えするかというと、剪定作業で最も多い事故が「高所からの転落」であり、桐はまさにその危険が大きい木だからです。木の上や高い脚立の上は、自分が思っている以上に不安定です。一本の枝のために大けがをしては、何のための庭の手入れかわかりません。命にかかわることですので、ここは特に正直に、強くお伝えします。

■こうなったらプロを呼びましょう

具体的に、次のような場合は必ず業者に頼んでください。木の高さが3メートルを超えていて、脚立では安全に届かないとき。これは成長の早い桐では、特に多いケースです。大きくなりすぎた桐を、低く仕立て直す「台切り」をしたいとき。太い幹を切るのは、ノコギリでも大変で、切った幹が倒れる方向の確保など、専門の技術と経験が必要です。また、テッポウムシで幹の中が空洞になっていたり、木の芯が腐っていたりするときも、倒れる危険があるので、プロの診断が必要です。電線の近くに枝が伸びているときも、感電の危険があるため、絶対にご自分で触らず、専門の業者に連絡してください。

■桐は特に「引き際」が大切

多くの庭木の中でも、桐は成長が早く大きくなるぶん、特に「自分でやる限界」を意識すべき木です。小さいうちや、芽かき・細い枝の手入れは、ご自分で楽しみながらできます。しかし、一度大きくしてしまったら、潔くプロに任せるのが正解です。「全部自分でやらなければ」と高い木に登るのは、本当に危険です。地面から安全に届く範囲は自分で、高いところや太い幹はプロに。この線引きをはっきりさせることが、桐と長く安全に付き合う秘訣です。一度プロに台切りなどで手に負える大きさにしてもらえば、そのあとの芽かきなどの維持は、ご自分でもできるようになります。

【忙しい人向け】15分で終わるズボラ剪定

「完璧じゃなくていいから、とにかく手早く整えたい」という方は、手の届く範囲の「ひこばえ・胴吹き芽・枯れ枝」を取るだけで、15分ほどで十分すっきりします。

その理由は、桐は幹や根元から勢いよく出る芽が、見た目をごちゃつかせる一番の原因だからです。この余分な芽を取るだけで、木全体がぐっと落ち着いて見えます。完璧を求めず、ポイントだけ押さえるのがズボラ剪定のコツです。

具体的な手順はこうです。まず木の根元を見て、地面から生えてきた芽(ひこばえ)を、手やハサミで取り除きます。次に、幹の途中から勢いよく出ている芽(胴吹き芽)を、手の届く範囲で取ります。やわらかい芽なら手でポキッと取れます。最後に、明らかに枯れている枝があれば抜きます。これだけで「手入れされた木」に見えます。

ただし、桐のズボラ剪定で絶対に守ってほしいのは、「手の届く範囲だけにする」ことです。ズボラに済ませたいのに、わざわざ高い脚立に登って危険を冒すのは本末転倒です。高いところが気になるなら、そこはプロに任せましょう。桐は成長が早いので、この芽取りをこまめにやるだけでも、大きくなりすぎるのを防げて、放置するのとは見違えるほど違いますので、ぜひ気楽に試してみてください。

よくある質問Q&A

最後に、桐の木の剪定についてよくいただく質問にお答えします。

Q. 桐はどのくらい大きくなりますか?
A. 成長がとても早く、条件がよければ一年で2メートル以上伸びることもあり、数年で10メートルを超える大木になることもあります。庭木にする場合は、こまめな芽かきと剪定で、手に負える大きさに保つことが大切です。

Q. 切っても切っても芽が出てきます。どうすればいいですか?
A. それは桐の旺盛な生命力の証拠です。出てきた芽の中から、残したい元気な芽を数本だけ選び、ほかはやわらかいうちに手でかき取ってください。こまめな芽かきが、桐を管理するいちばんのコツです。

Q. 大きくなりすぎた桐を小さくできますか?
A. できます。桐は「台切り」といって、幹の低い位置でバッサリ切っても、切り株から再生する強い木です。ただし太い幹を切るのは危険なので、大きな桐の台切りは必ずプロに頼んでください。

Q. 強く切っても枯れませんか?
A. 桐は再生力がとても強いので、強く切ってまず枯れることはありません。むしろ切ったあとに芽が出すぎるくらいです。心配なのは枯れることより、芽の整理だと考えてください。

Q. 幹の根元におがくずのようなものが落ちています。何でしょう?
A. テッポウムシ(カミキリムシの幼虫)が幹の中にいるサインです。桐は木がやわらかく被害を受けやすいので、放置は禁物です。穴を見つけたら専用の薬で駆除し、心配なときはプロに相談してください。

Q. 高い枝が伸びて困っています。自分で切れますか?
A. 高さ3メートルを超える高い枝は、転落の危険があるので、ご自分では切らないでください。必ずプロの業者に頼んでください。命より大切な枝はありません。

Q. 剪定したあと、肥料はあげたほうがいいですか?
A. 桐はもともと成長が旺盛なので、肥料はあまり必要ありません。むしろ肥料をあげすぎると、さらに勢いよく伸びて手に負えなくなることがあります。強く切ったあとも、すぐに肥料をあげる必要はありません。

Q. 花が咲かないのですが、剪定のせいですか?
A. 桐の花は枝の先のほうに咲くので、毎年強く切り戻していると花が咲きにくくなることがあります。また、若い木はまだ花をつけないこともあります。花を楽しみたい場合は、ある程度の高さで自然に育てる必要がありますが、そのぶん大きくなるので、庭の広さと相談してください。

桐は、成長がとびきり早く、大きく堂々と育つ、文化の香り高い木です。「成長が早く大きくなる」「こまめな芽かきが大切」「高いところや太い幹はプロに任せる」という点さえ押さえれば、初心者の方でもその魅力と付き合っていけます。薄紫の上品な花や、大きなハート形の葉、そして切っても芽吹くたくましさは、桐ならではの楽しみです。この記事を参考に、ぜひ桐の木と上手に付き合ってください。木と向き合う時間は、きっと心地よいものになるはずです。

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