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アイビー(キヅタ)の剪定時期と剪定方法|失敗しない切り方と育て方を解説

はじめに|アイビーの剪定で迷っていませんか

アイビーの剪定は、「伸びすぎたツルを思い切って切ってよい」と知っておけば、初心者の方でもまったく怖がる必要のない、とても気楽な作業です。

なぜそう言えるのかというと、アイビーはツル性の植物の中でも特に丈夫で生命力が強く、多少バッサリ切っても、すぐにまた新しいツルを伸ばして茂ってくれるからです。たとえるなら、刈っても刈ってもすぐ伸びる、元気な雑草のようなたくましさを持っています。

庭木の剪定というと「失敗したら枯れるかも」と身構えてしまう方が多いのですが、アイビーに関してはその心配がほとんどいりません。だからこそ、剪定の練習にもぴったりの、初心者の方にやさしい植物なのです。

具体的にお話しすると、アイビーは観葉植物としてお部屋の中で育てられることもあれば、お庭でグランドカバー(地面をおおう植物)や、壁やフェンスをおおう緑のカーテンとして使われることもあります。葉の形や色が種類によってさまざまで、おしゃれな雰囲気から、近年とても人気があります。一年中緑の葉を楽しめる常緑性で、半日陰でもよく育つ丈夫さも魅力です。

とはいえ、その「丈夫さ」「よく伸びる」という長所は、裏を返せば「放っておくと伸びすぎて手に負えなくなる」という性質でもあります。壁や木に張りついてどんどん広がり、気づいたら大変なことに、というのもアイビーではよくある話です。だからこそ、こまめな剪定で上手にコントロールすることが、アイビーと気持ちよく付き合う秘訣になります。

この記事では、アイビーとキヅタの違いといった基本から、種類や花言葉、毒性、育て方、そして剪定の時期や方法、挿し木や株分けでの増やし方、虫の駆除まで、アイビーに関する知りたいことをまるごとお伝えします。この1本を読んでいただければ、アイビーの悩みはほとんど解決するはずです。どうぞ最後までお付き合いください。

アイビーってどんな植物?特徴を詳しく知りましょう

アイビーは、丈夫でよく茂る常緑のツル性植物で、葉の形や色のバリエーションが豊富な、人気の高いグリーンです。

このことを最初に知っておくと、剪定や育て方のコツがぐっとわかりやすくなります。アイビーには知っておくと役立つ特徴がたくさんありますので、ここでは特に詳しくお伝えします。

まず、よくある疑問にお答えします。「アイビーとキヅタはどう違うのか」という質問です。実は、私たちが「アイビー」と呼んでいるものの多くは、「ヘデラ」という植物の英語名なのです。ヘデラの中にはいくつか種類があり、ヨーロッパ原産の「セイヨウキヅタ(イングリッシュアイビー)」が、観葉植物やおしゃれなグリーンとして広く出回っている「アイビー」です。一方、日本に昔から自生しているのが「キヅタ(フユヅタ)」で、これも同じヘデラの仲間です。つまり、アイビーもキヅタも大きくは同じ仲間で、外国生まれのおしゃれなものを「アイビー」、日本生まれのものを「キヅタ」と呼び分けている、と考えるとわかりやすいです。

次に、アイビーの種類についてです。アイビーは品種がとても豊富で、葉の形だけでも、よく見る星形のもの、丸みを帯びたもの、フリルのように縮れたものなどがあります。色も、濃い緑一色のものから、白やクリーム色の斑(ふ)が入ったもの、黄色っぽいものまでさまざまです。「ヘデラ・ヘリックス」が基本のアイビーで、そこから本当にたくさんの園芸品種が生まれています。お好みの葉の形や色を選べるのも、アイビーの楽しみのひとつです。

アイビーの大きな特徴が、ツルから「気根(きこん)」という根のようなものを出して、壁や木にぴったり張りつきながら伸びていくことです。この性質のおかげで、壁面緑化(壁を緑でおおうこと)に使えるのですが、同時に、一度張りつくと剥がすのが大変、という面もあります。この気根の性質は、剪定や管理を考えるうえで覚えておきたいポイントです。

花言葉についてもふれておきましょう。アイビーの花言葉には「永遠の愛」「友情」「結婚」などがあります。ツルがしっかりと絡みつき、どんな場所でも離れずに成長する様子から、こうした花言葉がつけられました。結婚式のブーケや装飾にアイビーがよく使われるのは、この花言葉が由来です。贈り物にすると、すてきな意味を添えられます。

毒性についても、正しく知っておくことが大切です。アイビー(ヘデラ)には、葉や茎にわずかに毒の成分が含まれています。たくさん口にするとお腹をこわすことがあり、敏感な方は樹液で肌がかぶれることもあります。命に関わるような強い毒ではありませんが、小さなお子さんやペットが口に入れないよう気をつけ、剪定のときに肌が弱い方は手袋をすると安心です。普通に育てて眺めている分には、まったく問題ありません。

最後に、なんといってもアイビーの魅力は、その丈夫さと育てやすさです。日なたから半日陰まで幅広い場所で育ち、寒さにも暑さにも比較的強く、水やりも土の表面が乾いたらあげる程度でぐんぐん育ちます。グランドカバーにすれば雑草を抑えてくれますし、ハンギング(吊り鉢)にすればツルが垂れ下がって美しく、室内のインテリアにもなります。一年中緑を楽しめて、しかも手間がかからない。これが、アイビーが長く愛され続けている理由なのです。

アイビーの剪定に適した時期

アイビーの剪定に最も適しているのは、暖かく成長が活発な「春から初夏(4月~6月)」と「秋(9月~10月)」です。

なぜこの時期がよいのかというと、アイビーは暖かい時期に活発に成長するため、この時期に切ると、切ったあとの回復が早く、すぐに新しいツルや葉を出してきれいに茂ってくれるからです。生育期に切ることで、剪定の効果がいちばん発揮されるのです。

最もおすすめなのが、春から初夏にかけてです。これから成長する勢いのある時期なので、思い切って形を整えても、夏に向けてどんどん新しい葉が出て、ふさふさと茂ってくれます。伸びすぎたアイビーを大きく切り戻したい(短くしたい)場合は、この春の時期がベストです。

秋も、暑さが落ち着いて再び成長が活発になる時期なので、夏の間に伸びて乱れた形を整えるのに適しています。秋に整えておくと、きれいな姿で冬を迎えられます。

一方で、真夏の暑い盛りと真冬の寒い時期の強い剪定は、避けたほうが無難です。アイビーは丈夫なので枯れることはまれですが、真夏や真冬は成長がゆっくりになるため、切ったあとの回復が遅く、しばらく寂しい姿のままになることがあります。とはいえ、アイビーは本当に丈夫なので、「伸びすぎて困った枝を、気づいたときにちょっと切る」程度なら、正直なところ一年中いつでも大丈夫です。あまり神経質にならず、気楽に付き合えるのもアイビーのよいところです。

まとめますと、アイビーの剪定は「春から初夏と秋が最適、真夏と真冬の強剪定は避ける、でも軽い剪定はいつでもOK」と覚えていただければ間違いありません。

アイビーの剪定方法|伸びすぎたツルを整える

アイビーの剪定は、「伸びすぎたツルを好きな長さで切り、混み合った部分を間引く」という、とてもシンプルな方法で十分です。

その理由は、アイビーはどこで切っても、その近くの葉の付け根から新しい芽を出して枝分かれする性質があるからです。難しく考えず、「長くなったら切る、茂りすぎたら抜く」だけで、きれいな姿を保てます。庭木のような繊細な技術はいりません。

まず、基本の「切り戻し」です。伸びすぎたツルを、好きな長さのところでパチンと切ります。このとき、葉の付け根のすぐ上で切ると、そこから新しい芽が出て、こんもりと茂ります。長く伸びてひょろっとしてきたアイビーも、思い切って短く切り戻せば、また根元のほうから新しいツルが出て、ふさふさと若返ります。

次に、「間引き」です。葉やツルが密に茂りすぎて、内側が蒸れているようなときは、混み合ったツルを根元から数本抜いて、風を通してあげます。これは虫や病気の予防になります。特に鉢植えで内側がジャングルのようになっている場合は、思い切って間引くと、風通しがよくなって元気を取り戻します。

グランドカバーとして地面に這わせている場合は、決められた範囲からはみ出したツルを、境界に沿って切りそろえるだけでOKです。アイビーは放っておくとどこまでも広がるので、「ここまで」という線を決めて、はみ出したら切る、を繰り返すときれいに保てます。

壁やフェンスに這わせている場合は、窓やとい、隣の敷地など、伸びてほしくない方向に向かったツルを、こまめに切り取ります。アイビーは気根で張りつくと剥がすのが大変なので、伸びてほしくない方向は、張りつく前に早めに切るのがコツです。

切る量については、アイビーは丈夫なので、思い切って全体の半分くらいまで切っても大丈夫です。むしろ、伸びすぎてひょろひょろになったものは、バッサリ切ったほうが、きれいに若返ります。失敗を恐れず、大胆に切れるのがアイビーのよいところです。

切りすぎた・枯れたときのリカバリー方法

もし切りすぎてしまっても、アイビーは生命力が非常に強いので、ほとんどの場合すぐに回復しますので、まったく心配いりません。

なぜなら、アイビーはツル性植物の中でも特に丈夫で、葉の付け根や茎の途中からどんどん新しい芽を出す力があるからです。多少バッサリやってしまっても、枯れることはまれで、すぐにまた茂ってきます。

うっかり切りすぎて寂しくなってしまった場合は、まずあわてず見守ってください。茎が残っていれば、そこから新しい芽が出て、ふたたびツルを伸ばしてきます。アイビーの回復力は本当に頼もしいので、「やってしまった」と思っても、たいてい数週間から1~2か月もすれば、新しい葉が出てきます。このとき、水やりだけきちんとして、明るい場所に置いてあげれば十分です。弱っているときに急に肥料をあげると、かえって根を傷めることがあるので、回復してから控えめにあげましょう。

次に、「アイビーが枯れる」という悩みについてです。あれほど丈夫なアイビーが枯れるとしたら、原因の多くは「水のやりすぎ」による根腐れです。アイビーは乾燥に強い一方、土が常にジメジメしていると根が腐ってしまいます。葉が黒ずんでぶよぶよしてきたら、根腐れのサインです。この場合は、傷んだ部分を切り取り、乾いた新しい土に植え替えて、水やりを控えめにして様子を見ます。元気な茎が少しでも残っていれば、そこから復活できることが多いです。

反対に、「葉がパリパリに乾いて枯れる」場合は、極端な乾燥や、強すぎる直射日光による葉焼けが原因のことがあります。この場合は、明るい日陰に移し、土の表面が乾いたら水をあげるようにします。傷んだ葉は取り除けば、新しい葉が出てきます。

間違った時期(真夏や真冬)に強く切ってしまった場合も、基本は見守りです。回復はゆっくりですが、暖かくなれば(または涼しくなれば)また芽を出します。あせらず、季節がめぐるのを待ちましょう。

アイビーの病害虫対策と虫の駆除

アイビーの病害虫は、剪定で風通しを良くし、葉が蒸れない環境を保つことが、何よりの予防になります。

その理由は、アイビーにつきやすい虫の多くが、「葉が密に茂って風の通らない、乾燥した、または蒸れた環境」を好むからです。アイビーは葉が密に茂りやすいので、特に間引き剪定で風を通すことが、虫の予防に直結します。

アイビーで特につきやすいのが、ハダニとカイガラムシです。ハダニは、目では見えにくいほど小さな虫で、葉の裏について汁を吸います。放っておくと葉が白っぽくカサカサになり、元気がなくなります。ハダニは乾燥した環境を好むので、葉の裏に霧吹きやシャワーで water(水)をかけてあげると、予防と駆除になります。ハダニは水に弱いので、これだけでもかなり減らせます。

カイガラムシは、茎や葉に白っぽいロウのようなものをかぶってくっつく虫です。動かないので虫に見えないこともありますが、放っておくと汁を吸われて株が弱り、フンから「すす病」というカビが発生して葉が黒く汚れます。カイガラムシは、古い歯ブラシや布でこすり落とすのが基本です。数が多い場合は、専用の薬を使います。

このほか、新芽にアブラムシがつくこともあります。小さな虫が群がっていたら、早めにこすり落とすか薬で駆除しましょう。

これらの虫は、どれも風通しの悪い、混み合った場所に発生しやすいのが共通点です。ですから、こまめに間引き剪定をして風を通し、ときどき葉の裏をチェックして、見つけしだい早めに対処する。これが、薬にあまり頼らずにアイビーを健康に保つ、いちばんのコツです。剪定をサボって葉が密に茂りっぱなしになると、内側で虫が増えていることに気づきにくいので、注意してください。

アイビーの増やし方|挿し木と株分け

アイビーは、「挿し木(さしき)」と「株分け(かぶわけ)」という2つの方法で、とても簡単に増やすことができます。

なぜこの話をここに入れるかというと、剪定で切り取ったツルを、捨てずに増やすことに使えるからです。せっかく元気なツルを切るのですから、それを新しい株にできれば、一石二鳥です。アイビーは挿し木がとても簡単なので、初心者の方にもおすすめです。

まず「挿し木」です。剪定で切り取った元気なツルを、10センチほどの長さに切り分けます。下のほうの葉を2~3枚取り除き、その部分を水につけるか、湿らせた土にさしておくだけです。アイビーは発根しやすいので、明るい日陰で土が乾かないように管理すれば、2~3週間ほどで根が出てきます。根がしっかり出たら、新しい鉢に植え替えれば、立派な株の出来上がりです。水にさしておくだけでも根が出る(水挿し)ので、まずは透明なコップで試してみると、根が伸びる様子が見えて楽しいです。

次に「株分け」です。鉢植えのアイビーが大きく茂って鉢がいっぱいになってきたら、植え替えのタイミングで株を分けます。鉢から株を抜き、根を傷めないように手で2~3つに分けて、それぞれを新しい鉢に植えます。これで一気に株数を増やせます。株分けや植え替えに適した時期は、成長期の春から初夏です。

このように、剪定で出たツルを活かして増やせるのも、アイビーの楽しみのひとつです。増やした株は、ちょっとしたプレゼントにも喜ばれます。

アイビーの剪定におすすめの道具

アイビーの剪定は、細くやわらかいツルが中心なので、よく切れる「剪定バサミ」が一本あれば、すべての作業ができます。

道具にこだわる理由は、切れ味の悪いハサミで切ると、やわらかいツルがつぶれたり、切り口がぐちゃっとなったりして、見た目が悪く、傷みの原因にもなるからです。よく切れるハサミでスパッと切れば、切り口がきれいで、株にもやさしいのです。

アイビーの細いツルは、剪定バサミでも、小回りのきく園芸用の小さなハサミでも切れます。たくさんのツルを手入れするなら、やはり切れ味のよい剪定バサミが一本あると便利です。私が長年使っていて自信を持っておすすめできるのは「おの義」の剪定バサミです。切れ味がよく丈夫で、長く使えますので、一本良いものを持っておくと、アイビーだけでなくお庭のさまざまな手入れに役立ちます。

グランドカバーとして広い範囲に茂ったアイビーを、一気に刈り込みたい場合は、刈り込みバサミを使うと早く済みます。広い面をザクザク切りそろえるのに便利です。この場合も「おの義」の刈り込みバサミなら、切れ味がよく作業がはかどります。ただし、鉢植えや繊細に整えたい場合は、剪定バサミで一本ずつ切るほうがきれいに仕上がります。

アイビーは太い枝がないので、ノコギリの出番はありません。剪定バサミ一本で十分、と覚えておいてください。

道具の手入れも忘れずに。アイビーのツルを切ると、刃に樹液がつきます。前にお伝えしたように、アイビーの樹液は肌の弱い方だとかぶれることがあるので、作業後は刃をしっかり布でふき取っておきましょう。樹液をつけたまま放っておくと、サビや切れ味の低下の原因にもなります。きれいにふいて、薄く油を塗っておくと長持ちします。また、病気の株を切ったハサミを別の株に使うときは、消毒用アルコールで刃をふいてからにすると、病気をうつさずに済んで安心です。

切ったツルの処分とご近所マナー

剪定で出たアイビーのツルは、細くてやわらかいので、短く切って袋に詰めれば、多くの自治体で燃えるゴミとして簡単に処分できます。

なぜこの話をするかというと、アイビーは量が多く出るわりに、ツルが長く絡まりやすいので、処分のコツを知らないと意外と手こずるからです。上手にまとめるコツを知っておくと、片づけがぐっと楽になります。

アイビーのツルは長くて絡まりやすいので、まず剪定バサミで30~50センチくらいの短さに、ザクザク切り分けるのがコツです。長いまま袋に入れようとすると、絡まってかさばり、うまく詰まりません。短く切ってから袋に入れると、ぎゅっと詰まってコンパクトになります。量が多いときは、自治体指定のゴミ袋に詰めて燃えるゴミに出すのが手軽です。

ここで、ひとつ大切な注意点があります。剪定で出たアイビーのツルや葉を、安易に庭の隅や空き地に捨てないでください。アイビーは生命力が非常に強いので、切ったツルが地面に触れていると、そこから根を張って増えてしまうことがあります。捨てたつもりが、思わぬ場所で広がってしまうのです。必ず袋に入れて、ゴミとして処分しましょう。

ご近所マナーについてです。アイビーは気根で張りつきながら、どこまでも広がる性質があります。お隣との境界の壁やフェンスを越えて、アイビーがお隣の敷地に侵入してしまうと、トラブルの原因になります。アイビーは一度張りつくと剥がすのが大変なので、お隣の方にとっては迷惑になりがちです。境界に向かって伸びるツルは、はみ出す前にこまめに切るのが、何よりのマナーです。もしすでにお隣に侵入している場合は、勝手に処理せず、まず一声かけてから対応しましょう。「アイビーが伸びてご迷惑をおかけしています」とひと言伝えるだけで、印象がまったく違います。

自分でやる限界と、業者に頼む目安

鉢植えやグランドカバーのアイビーは気軽にご自分で手入れできますが、高い壁一面に広がったアイビーの撤去などは、無理をせずプロに頼むのが安全です。

なぜこうお伝えするかというと、アイビーそのものの剪定は簡単で危険が少ない一方、「高い場所に広がりすぎたアイビーを撤去する」作業は、高所での危険な作業になるからです。剪定作業で最も多い事故は「高所からの転落」です。一本のツルのために大けがをしては、何にもなりません。

具体的には、次のような場合にプロへの相談をおすすめします。建物の壁の高いところまで、アイビーがびっしり広がってしまい、剥がして撤去したいとき。これは高さ3メートルを超えると、脚立では危険ですし、気根が張りついて剥がすのも重労働です。また、木に絡みついたアイビーが、高い木の上のほうまで覆ってしまったときも、無理にご自分で登らず、プロに任せましょう。アイビーが木全体を覆うと、その木が弱ってしまうこともあるので、早めの対処が大切です。

一方で、鉢植えのアイビー、地面のグランドカバー、手の届く範囲のフェンスのアイビーなどは、まったく心配いりません。気軽にご自分で、好きな形に整えて楽しんでください。アイビーは、低いところの手入れは初心者の方でも安全に楽しめる、やさしい植物です。「高くて手が届かない、量が多すぎて手に負えない」と感じたときだけ、プロを頼る。この線引きを覚えておけば安心です。

【忙しい人向け】15分で終わるズボラ剪定

「完璧じゃなくていいから、とにかく手早く整えたい」という方は、はみ出したツルと、伸びすぎてひょろっとしたツルを切るだけで、15分ほどで十分すっきりします。

その理由は、アイビーは丈夫でどこを切っても回復するので、見た目に一番効く「はみ出し」と「間延び」だけ処理すれば、それで十分きれいに見えるからです。難しいことは何もいりません。完璧を求めず、ポイントだけ押さえるのがズボラ剪定のコツです。

具体的な手順はこうです。まず、鉢や決めた範囲から、だらりとはみ出しているツルを見つけて、好きな長さでパチパチ切ります。次に、長く伸びて葉と葉の間隔が間延びし、ひょろっとしてしまったツルを、思い切って短く切り戻します。最後に、内側で茶色くなった枯れ葉や傷んだツルがあれば取り除きます。これだけで、こんもりと整った印象に戻ります。

アイビーのズボラ剪定の素晴らしいところは、「失敗してもまったく問題ない」ことです。切りすぎても、すぐにまた茂ります。だから、何も考えず、気楽にチョキチョキやってください。それでもちゃんと、きれいに若返ります。これほど初心者の方にやさしい植物はありません。ぜひ気軽に試してみてください。

よくある質問Q&A

最後に、アイビーについてよくいただく質問にお答えします。

Q. アイビーとキヅタは違うものですか?
A. 大きくは同じ仲間です。「ヘデラ」という植物のうち、ヨーロッパ生まれのおしゃれなものを「アイビー(セイヨウキヅタ)」、日本に昔から自生するものを「キヅタ(フユヅタ)」と呼び分けています。育て方や剪定の考え方は同じです。

Q. アイビーに毒はありますか?
A. 葉や茎にわずかに毒の成分があり、たくさん口にするとお腹をこわすことがあります。肌の弱い方は樹液でかぶれることもあります。お子さんやペットが口に入れないよう気をつけ、心配な方は剪定時に手袋をしてください。眺めて育てる分には問題ありません。

Q. 花が咲かないのは剪定のせいですか?
A. アイビーは、若いうちはあまり花が咲きません。かなり長く育って木のように成熟すると、地味な花を咲かせます。観賞用に育てている分には、花は気にせず、葉の美しさを楽しむのがおすすめです。

Q. 切ったツルは増やせますか?
A. 簡単に増やせます。10センチほどに切り、下の葉を取って水か湿った土にさせば、2~3週間で根が出ます。アイビーは挿し木がとても簡単なので、ぜひ試してみてください。

Q. アイビーが枯れてきました。原因は何ですか?
A. 多くは水のやりすぎによる根腐れです。葉が黒くぶよぶよしていたら、傷んだ部分を切り、乾いた土に植え替えて水を控えてください。逆に葉がパリパリなら乾燥のしすぎなので、明るい日陰で適度に水やりをしましょう。

Q. どのくらい切っても大丈夫ですか?
A. 全体の半分くらい切っても平気です。アイビーは丈夫なので、思い切って切り戻したほうが、かえってきれいに若返ります。失敗を恐れず大胆に切って大丈夫です。

Q. 室内でも剪定できますか?
A. できます。室内のアイビーも、伸びすぎたら好きな長さで切ってかまいません。切ったツルは水にさしておけば根が出るので、増やして飾るのも楽しいです。

Q. 壁に張りついたアイビーが剥がせません。
A. アイビーは気根で強く張りつくので、剥がすのは大変です。手の届く範囲なら少しずつ剥がせますが、高い壁一面の場合は無理をせず、プロに相談すると安全です。

アイビーは、丈夫で育てやすく、増やすのも簡単な、初心者の方にとてもやさしい植物です。失敗してもすぐに回復してくれるので、剪定の練習にもぴったりです。葉の形や色を選ぶ楽しみ、グランドカバーやハンギングで飾る楽しみ、挿し木で増やす楽しみと、いろいろな顔を見せてくれます。この記事を参考に、ぜひ気軽にアイビーとの暮らしを楽しんでください。緑と向き合う時間は、きっと心地よいものになるはずです。

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