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ナンテン(南天)の剪定方法と剪定時期

はじめに:縁起木のナンテンを毎年美しく育てる管理をすべてお伝えします

「ナンテンを植えているが実がなかなかつかない」
「6月に剪定したら実がならなくなった」
「群生していてどの枝を切ったらいいか迷う」

ナンテンの剪定に関するこういった悩みは多いです。

ナンテン(南天)は「難を転ずる」という縁起をかつぐ木でも知られていることもあり、昔からナンテンを植えているお宅は多いです。赤い実のなる「赤ナンテン」や白い実のなる「白ナンテン」があり、白ナンテンは赤ナンテンよりも数が少なく貴重とされている地域もあります。

ナンテンの管理で知っておくべき重要なポイントがあります。「6月の剪定では花の咲いている枝を切ると実がならない」という点と、「花が雨に当たると受粉がうまくいかず実がつかない」という性質です。

このページでは、ナンテンの特徴・正しい剪定時期・具体的な剪定方法・実をつけるコツ・失敗した時のリカバリー・病害虫対策・道具選び・ゴミの処分まで、ナンテンに関するすべてをお伝えします。

ナンテンの特徴:「縁起木」としての由来と赤・白2種類の違い

■「難を転ずる」縁起をかつぐ木

ナンテンは庭の石組みや高い木の根締め、建物添えなどに植えられていることも多い木です。「難を転ずる」という語呂合わせから縁起木として古くから日本の庭で愛されてきました。

赤い実のなる「赤ナンテン」が一般的ですが、白い実のなる「白ナンテン」もあります。白ナンテンは赤ナンテンよりも数が少なく貴重とされている地域もあります。

■株立ち状で密集して育つ性質

ナンテンは株立ち状で密集して伸びますが、生長は比較的遅い木です。特に毎年行う定期的な剪定の必要はなく、大きくなりすぎた場合や枝が茂って込みすぎた場合などに剪定すればよいです。

■「軒先に植えると実つきが良い」理由

ナンテンは昔から軒先に植えるとよく実をつけるとされています。これには理由があります。木は花をつけてその花が受粉して初めて実を結びますが、花が咲く時期に雨に直接当たってしまうと、いくら花をつけても受粉がうまく行われず実をつけません。それを防ぐことから軒先に植えるとよいとされます。

特にナンテンは6月頃が花の咲く時期なので、花が咲く受粉時に雨は厳禁であることがわかります。田舎の家や昔からあるような古いお宅の軒先には、よくナンテンが植えられている理由がこのことからもわかると思います。

軒下に植えることができなくても、たとえば高木の木の下とかに植えてもだいぶ雨をしのげるので、なるべく直接雨にかからぬところに植えるのがよいです。ナンテンを植える時におすすめしない場所は、風通しの強いところや北側、庭の真ん中などです。

■「花芽は枝先につく」これが剪定判断の重要ポイント

花芽は先端につきますから、枝先を一律に切り詰めるような剪定はしないほうがよいです。これを知らずに刈り込んでしまうと、実がつかなくなる主な原因になります。

ナンテンの剪定時期:「6月の花の時期」と「冬・夏」の使い分け

■剪定の理想期間:3~6月

ナンテンの剪定の時期は3~6月までの間が理想的です。6月の剪定では花の咲いている枝を切ると実がならないので注意してください。

ナンテンの剪定の適期は3~6月までの間ですが、どうしてもその時期に切らなければならないということではなく、適宜に切ってください。

■冬期(11~3月)の剪定:樹形整理に最適

冬期剪定の目的は、樹形を整えたり枯れ枝など不要な枝を取り除くことです。常緑樹ではありますが、この時期は落葉が進み枝が見えやすい時期なので剪定がしやすくなります。樹木の成長が止まる時期のため、植物に与えるストレスが少なくて済みます。

■夏期(3~6月)の剪定:間引きと徒長枝の整理

夏期の剪定の目的は、混み合った枝の間引きと徒長枝を切り取る作業をします。成長期が始まる前に形を整えることで風通しを良くし、病害虫の予防になります。

■実を楽しみたい場合は6月の花の時期の剪定を避ける

実を楽しみたい方は、6月頃の花が咲いている時期の剪定を避けることが最も重要です。花の咲いている枝を切ってしまうと、その枝には実がつきません。

ナンテンの剪定方法:「枝先を切らない」「1/3以下にとどめる」が基本

■剪定を行うための準備

ナンテンの幹や枝は細くても意外と硬くて切れにくいので、鋭利な剪定ばさみやノコギリを用意します。ナンテンは株立ちのように1ヶ所にまとまるように生えることが多く、群生しているとどの枝を切ったら良いのか迷います。そんな時は全体をよく観察して仕上がった状態を想像し、切るべき枝の目星を立てておきます。

■不要な枝を取り除く剪定作業

枯れ枝は病害虫を発生させるので根元や枝元部から切り取ります。他の枝と擦れ合っていたり交差した枝は間引きます。下向きの枝がある場合は樹形を崩す原因になるので適宜に切り取ります。

■樹形を整える剪定作業

ナンテンは株立ち状に育つ木なので、自然な形を意識して、できれば放射状の樹形になるような塊を目指します。樹高を制御するために全体のバランスを見ながら適度な高さに切り詰めます。樹形の内部に風通しと日光が届くように密集している枝を間引き、全体的に透かすようにします。

■高くなりすぎた場合の対処法

ナンテンが高くなり過ぎた場合の剪定は、根元から出ている枝の数が多い時には、高くなりすぎた枝や幹を根元から枝と枝の間を開けて間引くように切り取ります。残った枝幹が高すぎたら、枝分かれしているところや芽の出ているところの直上部で切り戻しを行います。

低く仕立て直したい場合は、枝の途中で葉の生えているすぐ上で切り戻せばよいです。

■奥を高く・手前を低く・見栄えの良い仕立て方

ナンテンを見る場所によって切り方も変わるのですが、一律に同じ高さにするよりも、奥側を高くして手前を低く仕立てるときれいに仕上がります。 見栄えもだいぶ違うようになります。

■古い大株の更新方法

混みあった大株は古い幹を根元から切除すると良いです。株が古くなり根元や株全体が混みうっとうしい場合は、古い枝葉を根元から切り取って新しいものに更新したほうが良いです。混みあって通風が悪いとだんだんにカイガラムシが発生することになります。

■具体的な剪定例

高さを抑えたい場合は主枝を1/3程度切り詰め、周囲の枝とのバランスを調整します。樹形を整える場合は樹冠の部分を少しずつ切り詰めながら、幹と幹の間をあけるようにします。根元からの新芽が伸びている場合には、勢いのある新芽は残して弱い新芽は間引くとよいです。

■剪定をする際の注意点

ナンテンは強剪定に耐えますが、切りすぎると花や実が付きにくくなるので、全体の1/3以下を目安に剪定します。 実を楽しみたい場合は、実を付ける枝を極力残すとよいです。病害虫の予防として、剪定後は切り口に防腐剤を塗るとよいでしょう。

ナンテンは低い位置に小枝がなく芽の出ていない場合でも、途中で切っても必ず萌芽してきますのでけっこう安心して切れる木です。

■花つきの悪い株への対処:根切り

生育が旺盛なのに花つきの悪い株は、萌芽前の4月頃にスコップで根切りを行うとよく開花して結実がなるようです。

■【忙しい方向け】15分でできるズボラ流ナンテン管理

完璧な管理ができなくても、これだけ守ってください。3~5月のうちに枯れ枝・混み枝を全体の1/3以下を目安に間引きます。6月の花の時期は剪定しません。枝先は一律に切らず、枝の途中で切る場合は葉のすぐ上で切ります。この3点だけで「実がならない」という最悪の失敗を防げます。

失敗した時のリカバリー:「やってしまった!」時の対処法

■6月(花の時期)に剪定して実がならなくなった場合

花の咲いている時期(6月頃)に枝を切ってしまった場合、その枝には実がつきません。しかし木全体が枯れるわけではありません。来年は6月の剪定を避けて、3~5月または冬期(11~3月)の剪定に切り替えてください。

■枝先を切り詰めすぎて実が減った場合

花芽は先端につくため、枝先を一律に切り詰めると実が減ります。今後は枝先を一律に切らず、枝の途中(葉のすぐ上)で切るようにしてください。実を付ける枝はできるだけ残すことを意識すると、翌年から実つきが回復します。

■全体の1/3以上を切りすぎてしまった場合

全体の1/3を超えて強く切りすぎた場合、花や実が付きにくくなります。ただしナンテンは低い位置に芽がなくても途中で切っても必ず萌芽してくる丈夫な木です。木自体が枯れる心配は少ないので、来年以降の剪定で全体の1/3以下を守るように戻していけば、徐々に回復します。

病害虫対策:ナンテンにかかりやすい病害虫と対処法

■①炭疽病:葉や枝に黒褐色の斑点が出る病気

炭疽病の症状は、葉や枝に黒褐色の斑点が現れ、進行すると斑点が広がり葉が枯れることがあります。原因は高温多湿の環境で発生しやすいカビ(糸状菌)です。対策としては風通しを良くするため密集した枝を間引くことです。病気にかかった葉や枝は早めに切り取って処分するようにします。予防のためにマンネブ剤やジマンダイセンなどの殺菌剤を散布します。

■②すす病:葉や枝が黒くなる病気

すす病の症状は、葉や枝が黒くすすをかぶったようになります。被害に合うと光合成が阻害され生育が悪くなります。原因はアブラムシやカイガラムシが分泌する甘露にカビが繁殖することで発生します。対策としては原因となるアブラムシやカイガラムシを直接駆除します。病気が発生した部分は取り除いたほうが良く、適宜に風通しも良くします。

■③根腐れ病:過湿で起こる病気

症状は、根が腐敗して樹勢が弱り葉が黄変して落葉します。原因は過湿や排水不良の土壌環境で根に病原菌が侵入しておこります。対策として適切な水やりを心掛け、排水性の良い土壌に植えます。症状が出たら植え替えを検討したり、腐った根を取り除いたほうがよいです。

■④アブラムシ・カイガラムシ・ハダニ・ゾウムシ

アブラムシは若葉や新芽に群がり吸汁して植物を弱らせ、すす病の原因にもなります。早期に発見したら流水で洗い流すか、被害が多い場合はマラソン乳剤などの殺虫剤を散布します。

カイガラムシは枝や幹に付着し植物の養分を吸収します。歯ブラシなどで物理的に直接除去し、防除にはマシン油乳剤を使用することもできます。

ハダニは葉の裏に発生し吸汁することで葉が黄変し、ひどい場合は落葉します。乾燥を好むので水を葉に散布して湿度を上げます。

ゾウムシ(ナンテンキジラミ)は葉に小さな穴を開けたり新芽を食害します。見つけ次第捕殺します。

■病害虫の予防方法

剪定で密集した枝を間引き風通しを良くすることで病害虫が発生しにくい環境を作ります。定期的な観察により葉や枝をこまめにチェックすることも重要です。

おすすめの道具:プロが実際に使うおの義の道具と選び方

■おの義の剪定ばさみ(ナンテン管理の主役)

ナンテンの幹や枝は細くても意外と硬くて切れにくいので、しっかりした剪定ばさみが必要です。枯れ枝の除去・混み枝の間引き・先端の切り詰めまで活躍します。

おの義(おのよし)の剪定ばさみは刃の切れ味・耐久性ともに優れており、現場での長年の使用に耐えます。硬いナンテンの枝でもスムーズに切れる切れ味が、作業の効率と仕上がりの美しさにつながります。

お手入れ: 使用後は刃に付いた樹液をウエスで拭き取り、薄く油を塗ります。おの義は研ぎ直しサービスにも対応していますので、長く使い続けることができます。

■剪定ノコギリ(古い太い幹の地際切りに)

混みあった大株の古い幹を根元から切除する際にはノコギリが必要です。ナンテンの幹は硬いため、切れ味の良いノコギリを用意してください。折りたたみ式の剪定ノコギリがコンパクトで持ち運びやすくおすすめです。

ゴミの処分とマナー:後片付けと近所への配慮

■剪定ゴミの処分

ナンテンの剪定で出る枝葉は自治体の燃えるゴミに出せることが多いですが、量・袋の指定・長さの制限は自治体によって異なります。株立ちで密集した枝が多いため、太い枝はノコギリで短く切り揃えてから処分すると搬出しやすくなります。

炭疽病やすす病にかかった葉・枝は健全なものと一緒にせず密封して処分してください。

■ご近所への配慮

ナンテンは株立ち状に広がりやすい木です。庭の石組みや建物添えに植えられることが多いため、お隣との境界付近にある場合は枝張りを定期的に確認して、適切な時期の剪定で対処してください。

プロのホンネ:自分でやる限界と業者に頼む目安

ナンテンは比較的生長が遅く、毎年の定期剪定が不要な扱いやすい木です。ただし以下の場合は専門家への相談をおすすめします。大株が長年放置されて根元から完全に更新する必要がある場合は、どの幹を残してどれを切るかの判断に経験が必要です。根腐れ病が進行して植え替えが必要な場合も専門家への相談が安全です。

よくある質問Q&A

Q. ナンテンに実がつきません。なぜですか?

A. 主な原因として3つ考えられます。ひとつは6月の花の時期に剪定して花のついた枝を切ってしまったこと。もうひとつは花が咲く時期(6月頃)に雨が直接当たって受粉がうまくいかなかったこと。3つ目は枝先を一律に切り詰めて花芽を落としてしまったことです。

Q. ナンテンを軒先に植えるとよいと聞きましたが本当ですか?

A. はい、本当です。花が咲く6月頃に雨に直接当たると受粉がうまくいかず実がつきません。軒先など雨よけのある場所に植えることで、この問題を防げます。高木の下なども同様の効果があります。

Q. ナンテンはどのくらい切ってもいいですか?

A. 全体の1/3以下を目安に剪定することをおすすめします。ナンテンは強剪定に耐える丈夫な木ですが、切りすぎると花や実が付きにくくなります。実を楽しみたい場合は、実を付ける枝を極力残してください。

Q. 赤ナンテンと白ナンテンで剪定方法は違いますか?

A. 剪定方法自体に大きな違いはありません。どちらも花芽が枝先につく性質や、6月の花の時期を避けることなど、基本的な管理方法は共通しています。

ナンテンは「3~6月の適期に剪定する」「6月の花の時期は花のついた枝を切らない」「全体の1/3以下にとどめる」「枝先を一律に切らない」という4つのポイントを守ることで、毎年美しい実を楽しめる縁起木として育てられます。雨を避けられる軒先のような場所に植えることも、実つきを良くする大切なポイントです。このページがナンテンとの長いお付き合いの参考になれば幸いです。

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